あけましておめでとうございます。今年もよろしく😃
さて、岩波編集部チーム「なみのおと」によるnote「コロナの時代の想像力」にて、例の「小山田圭吾問題」についてのくわしい分析がなされています。
3-5 は、一月に掲載されるとのこと。
やっとこういう論考が読めるようになった。ありがとう、岩波!
いい年になりますように✨
口絵で新連載、阿部海太「民話採光」が始まりました! こういう絵を見るのは大好き! 本文始まりのページには絵に関するエッセイが載ってます。
気象ニュースのくわしい解説が読める森さやか「いま、この惑星で起きていること」今回は、難民化するセイウチ、シベリアのゾンビファイアー、カナダに豪雨をもたらす空の大河の脅威など。
北條勝貴「亡所考 草刈りからみえる忘却」では、おとぎ話の絵本で「おじいさんは 山へ芝刈りに」という絵をわたしたちはよく見ているのですが、そのためかえって昔行われていた、芝刈り、草刈り、に対してまちがったイメージを持っていること、それが現在の日本の地方の景観をつくってしまったのに、忘却されている草刈りを取り上げています。
「亡所考」の中に、フィールドワーカーが経験した「歌かけ」という遊びが出てくるんですが、「現在では奄美や中国西南、東南アジアの民族社会でしかみられない風習」なんだそうで、でもね、読んでいて、エミネム主演の映画「8 Mile」を思い出しましたよ。あの映画の中で、自動車工場の男女労働者がやってたのはアメリカン「歌かけ」になるのでは。
クラリッサ・シングソン「ネグロスからの手紙」は、フィリピンの人権活動家が命を狙われている生々しい報告が続いています。
奥山俊宏、畑宗太郎「パンドラ文書を解読する(下)」は先月号からのつづき、海外に比べるとパンドラ文書リークへの反響が日本は鈍かったそうです。先月号と合わせて、この機会に『世界』で読んでみてくださいね。
タコが海底を2本の脚で歩いている動画。残りの脚は体に巻き付けているため、 純粋に二足歩行の生物のような印象。この現象を調べた研究者によると、歩行に使う脚は後方の2本とほぼ決まっているため、タコは2本の脚と6本の手を持つとみなせるとのこと。 via @ScienceChannel pic.twitter.com/zTReyCwiOl
— Oguchi T/小口 高 (@ogugeo) 2021年12月16日
うーん、足がふにゃんと長くてひらひらしてるんで、殿中でござる! みたいに見えますね……
わたしは店頭からマスクが消えてた時期、ずっと使ってましたよ。
あまりにも悪口言われまくってるんで、便利に使ってた者もいたんだよって、言っとく。
やっとこういうニュースが出ましたね。タリバンが掌握後のアフガニスタンは、統治の仕方に問題がありそうだからと欧米が資産を凍結したり支援を止めたりして、現地の人たちがたいへんなことになっていると伝えられていました。
米主催の「民主主義サミット」やってましたが、民主主義じゃないからという理由で経済制裁受けている国はいろいろあって、それ考えると「民主主義」を信用してない人、敵視してる人、憎悪してる人ってけっこういるんじゃないかなって。
米「民主主義サミット」は、米国が中国へ対抗するためのイベントなんだろうけど、その中国も先進国に長きにわたって安価な労働力を利用され続けた国だったりするんですよね。
あんまり民主主義民主主義連呼しないほうがいいんじゃないのって気がした。
集会で襲われたせいだろうけど、フランス大統領選、極右と見られるゼムールが目立つ半面、左派候補の影が極薄化してニュースにも出てこない。おフランスもそういうご時世なのか。
エリック・ゼムールは、極右の評論家・ジャーナリストだそうで、今回フランス大統領選出馬を決意、YouTubeにその演説が日本語字幕付きで出ているのだが、興味のある人だけが見ればいい物件なのでリンクは貼りませんけれども(年齢制限があるのでログインが必要、「ゼムール ノーカット」でYouTube検索すると出てきます)、動画見てると『世界』2021年12月号の「「ニュース女子」事件とは何だったのか」を思い出しました。
原稿を読み上げる形で心情を訴えていますが、著作家としての得手を活かして、あとは挟み込まれる動画がうまくバックアップしてるな、と。演出はうまいです。どう見ても人種差別的な排斥願望ですし、現実を巧みに加工して自分の主張を正当化するギミックにしている。でも、生活習慣が異なる移民が増えて日常ストレスを感じている人にはアピールしそう。反発も大きいだろうけど、当人それは織り込み済みで「でも、やるんだよ!」ノリですね。自分自身が大統領選に立候補するのはある意味りっぱ。
Comme vous, Comme vous, と訴えかけるところから#MeToo派生形の一種になるのかもなあと思ったり、また「マイノリティによる独裁」というのは、一部のリベラル進歩派のすすめる政策に対する違和を表明してるのですよね(実際マイノリティの立場に置かれた人には被害妄想に聞こえるでしょう……)。ところで、いまのシリアはスンニーから見ると文字通り「マイノリティによる独裁」になってるんだろうな……などと、観ていろいろ感想が湧きました。
フランス語は、やはりすばらしいですね。ほんとにほんとに、すばらしい! でも、日本人の演説あまり好きくない体質にもいいところはあるかもしれない、です。
『世界』2021年12月号の書評欄では、前号からつづいてリチャード・J・エヴァンズ『エリック・ホブズボーム - 歴史の中の人生』岩波書店をとりあげた連載、三宅芳夫「越境する世界史家(下)」が載ってるんですが、そこから一部引用しておきます。
ヒトラーの侵攻にフランスがあっけなく降伏したことは、当時の人々に大きなショックを与え、ホブズボームもそのときの衝撃を書き記しているそうです。しかし、評者によれば
しかし、フランスの主たる敗因は、アナール派の創始者であり、後にレジスタンスに参加、逮捕・銃殺される歴史家マルク・ブロックの言うように「精神的なもの」だった。
フランスでは、大恐慌後三〇年代にシャルル・モーラス率いる「アクション・フランセーズ」、ラ・ロック大佐の「火の十字団」、J・ドリオの「フランス人民党」などの極右団体が伸長し、ドリュ・ラ・ロシェル、R・ブラジャック、そして若き日のM・ブランショなど極右作家もそれなりの読者を獲得していた。要するに、フランス社会は「反ファシズム」の合意 - とくにエリート内部で - がまったく形成されておらず、ナチスの侵略に対して断固として戦う気概と覚悟に欠けていたのである。
(引用元:『世界』2021年12月号 p242 三宅芳夫「越境する世界史家(下)」)
第二次世界大戦後は、ファシズムへの拒否感は少なくとも先進国では強烈なまま現在に至っていますけれども、ネットを駆使した極右候補がどう動くか、フランス大統領選は要注目。