葛飾ビラ配布弾圧事件

以前にも取り上げた葛飾ビラ配布弾圧事件。
ビラ配布弾圧事件 - 一人でお茶を
立川反戦ビラ弾圧事件と同様に、控訴審で逆転有罪判決が出ました。
葛飾ビラ配布事件/逆転有罪の不当判決/東京高裁 違法弾圧を追認 - 2007年12月12日(水)「しんぶん赤旗」
本日の四国新聞では、第四面でこの件を大きく取り上げ、判決要旨も載せていました。記事では「今回の判決はビラ配りの摘発を容易にするもので、萎縮効果が一層強まることが予想される。」と報告されています。
共産党、というと、関係ないやとなる人も多いのではないでしょうか。しかし、日本やドイツやアメリカの過去を振り返ると、言論弾圧のはじまりを告げる事件が共産党への弾圧だったことがよく見られるのです。最初は共産党だけが取り締まりの対象にされているように見えて、その後社会全体に抑圧が拡がっていき、気がついたときには反対の声を上げることができなくなっていた、ということになってしまうのですね。
今のうちに、不当な言論弾圧については、おかしい、と、声を上げておかなければなりません。
ビラ配り逮捕についてですが。
魚住昭斎藤貴男目取真俊『続 いったい、この国はどうなってしまったのか!』(NHK出版)を読んでいると、三者の鼎談の中で最近の検察の暴走傾向についても語られているのですが、そこでビラ配り逮捕についても触れられている箇所があります。一部引用。魚住(魚住昭)。

魚住
さっき、東京でマンションにビラを配っただけで逮捕されるという事件が続出してるって話をしたでしょ。それはなぜかということを突き止めていくと、検察の某幹部に行き着くんです。逮捕にゴーサインを出したのは、どうやらこの幹部だったらしい。その幹部が異動で離れるときに、俺がもういなくなるから、これからはビラ配り逮捕が少なくなるだろうな、ということを言い残しているんです。簡単に言うと、国家主義者が組織の中枢に入りだしたんです。かつての検察組織でもたまに極端に右翼的な人間はいましたが、そんな右翼が突出したことをやろうとしても、チェックされてできなかった。それが、ハト派が少なくなって、かつて組織の端っこにいた右翼たちが真ん中に出てきて、検察の体質が変化しているんです。ですから、公安部の検事ですら、こんなのは立件できませんよという事案が、上の決裁を経て通るようになっています。

(引用元:魚住昭斎藤貴男目取真俊『続 いったい、この国はどうなってしまったのか!』NHK出版)

ビラ配り逮捕には、これに加えて、自分たちの仕事を作り出さなければならない公安当局の都合も絡んでいるとのこと。
このような事情が不当逮捕の底にあるとするならば、だれでも逮捕の対象にされる可能性がある、ということになります。彼らは自分の都合で恣意的に逮捕する対象を選ぶのですから。
ビラ配り弾圧について、以前、日曜日にやっている田原総一朗の番組では大きく特集していたのを覚えています。さらにしつこく、テレビでももっと取り上げて欲しい。
ビラ配布の自由を守る会