ミサイルとアリコと

四国新聞より。

ミサイル迎撃試験に成功/ハワイで海自イージス艦
2007/12/18 09:31
【カウアイ島(米ハワイ州)17日共同】弾道ミサイルに対処する政府のミサイル防衛(MD)計画で、防衛省は17日正午(日本時間18日午前7時)すぎ、海上自衛隊イージス艦「こんごう」に搭載した海上配備型迎撃ミサイル(SM3)の発射試験を米ハワイ・カウアイ島沖で実施、標的の模擬ミサイル迎撃に成功した。

 米国以外の国によるSM3の試射は初めて。弾道ミサイル対処能力を実証したことで、日本のMDは大きく前進した。

 試験では、米海軍の協力でカウアイ島の米軍施設から標的用の中距離弾道ミサイルの模擬弾1発を発射した。数百キロ離れた海上で待機していたこんごうがイージスシステムの高性能レーダーで探知し、SM3を1発発射。高度100キロ以上の大気圏外で標的用ミサイルを撃ち落とした。

四国新聞社

NHKの夜7時のニュースでは、大々的に取り上げられていました。ミサイル発射、迎撃した瞬間、よろこびあう関係者、そして試験成功を称えるかのようなアナウンス。一瞬、北朝鮮のテレビニュースを思い出しました。
米軍と自衛隊の一体化は着々と進行している模様。このようなときに自衛隊制服組が政治に入り込んでくるということは、米軍が日本の政治に直接介入してくるということになりかねないのではと不安になりますね。
それよりもまず、ミサイル防衛が金食い虫であることが問題ですね。かんじんの効果はアメリカの科学者も疑問視しているし。
年次改革要望書 - 一人でお茶を
話は飛びますが、「きょうも歩く」にアリコに業務改善命令が出ていたという記事が出ていました。広告での不当表示が問題になったということです。アリコをはじめとして、アメリカの保険会社のCMってうさんくさいよね、というのは私の周囲でもよく言われているので「やっぱり。。。」という感想。さらに、「きょうも歩く」では今進められようとしている共済・互助会に対する保険業法適用にも触れています。
12/17 アリコに業務改善命令が出ていた - きょうも歩く
伊東光晴『「経済政策」はこれでよいか』(岩波書店 1999年)は「この小著を通じて私が強く言いたいのは、事実についての追求努力なしに、既存理論やイデオロギーで政策を論じようとする「原理主義」的理論家の政策発言に対する疑問である。」というはしがきではじまるのだが、1998〜1999年頃には既に、マスコミで喧伝される経済政策は伊東氏から見るとずいぶんと偏り現実性を欠いたものばかりになっていたようだ。

今日、日本のマスコミは、とくに私は『朝日新聞』の経済の編集委員たちがこの頃ひどいと思っているが、かれらはナイトやバイナーが理想としたイギリスの伝統的自由主義に反対するフリードマン的な考え方に立っている。もちろんこれに反対する考えの人も社内にいる。しかし、グローバル経済、市場という世界の一つのルール、財政と金融の分離というフリードマンマネタリズム以外は認めない。社内のこの風潮は、戦争中の鬼畜米英という時と同じだという人もいる。
(引用元:伊東光晴「時流に追随する人たちへ」『「経済政策」はこれでよいか』岩波書店 1999年)

この「市場という世界の一つのルール」というのがすでに虚妄でしかないそうだが。
また、規制緩和をして事後審査・事後規制にまかせることになれば、事後審査のための組織をつくらなければならなくなり、結果としてアメリカ的大きな政府が必要になるのは目に見えているのに、なぜか小さな政府をつくるためには規制緩和が必要とうたわれる。
伊東氏によれば当時から、おかしい、と言っていた人もいるそうですが、マスコミで重宝されるエコノミストや経済学者はネオリベ俗説を唱える者ばかりだったようです。
このマスコミ御用達の識者なんですが、経済だけでなく、イラク戦争の時にもアメリマンセー発言を繰り返していた人がいたのはまだ記憶に新しいわけで、あのころ誰がどんな発言をしたか、調べて整理してみるのも一興だと思いますね。
イラク戦争、米英は日本とイタリアしかついてこない、という時点で、何かに気づくべきだったよね……
イタリアは、途中で抜けるでしょうが、マゾヒスティックな日本は地獄の底までおつきあいするのかもしれません。
ああ、いつか来た道。

「経済政策」はこれでよいか―現代経済と金融危機

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