オリックスに公的資金注入話が出ていた?

サンデー毎日2009年2月15日号では、かんぽの宿売却問題について「71物件から6000坪の優良施設が消えた!」と題して、オリックスへの一括譲渡決定の直前にゆうぽうと世田谷レクセンターが対象から外された点をとりあげている。
なぜそんなことになったのか。
野党のヒアリングでは日本郵政は「オリックスを含む2社競合の状態でしたが、両者とも宿泊事業を提供したいとの考えで、レクセンターには宿泊施設がないため除外しました。10月か11月ごろでした」との説明、一方オリックス側は「日本郵政様の意思により除外されたものと理解している」と文書で回答してきた。

一体、どちらの言い分が正しいのか。別の不動産業界関係者はこう見る。
「不動産価格の急落で、オリックスは落札額の109億円の手当ても難しい状況と噂されています。レクセンターの簿価は非公開ですが、恐らく単一の物件では最高額。これを含めれば価格はさらに上がり、とても手が届かない。あくまで憶測ですが、そのために泣く泣く優良物件の切り離しを選択したのでは……」
経済ジャーナリストの須田慎一郎氏が言う。
「リースから出発し、保険業などに進出したオリックスですが、最盛期には不動産売買と証券化・開発事業などで収益の6割を上げており、本業はいわば "不動産ファンド" です。市況悪化の影響は相当大きいはず。帳簿外の損失などは不明ですが、永田町では政府系金融機関を通じた公的資金注入話も浮上していた矢先の凍結だけに、ショックは大きいでしょう」
(引用元:『サンデー毎日』2009年2月15日号)

そしてさらに不自然な事後調整が行なわれた疑いがあると取材を続けると、レクセンターが対象から除外されたのは11月、最終入札が行なわれた10月31日より後だったと分かった。
世田谷レクセンターへの取材もありました。くわしくはサンデー毎日2009年2月15日号を読んでください。
こういう事件になると、週刊誌の取材記事はおもしろい。そして、月刊『現代』が休刊してしまったことが惜しまれる。