「選挙の顔」は重要か

四国新聞朝刊にも出ていたけど、日本世論調査会が6,7両日に実施した「政治意識」に関する全国面接世論調査の結果。
世論調査 83%が『政治に不満』 税金無駄遣いを批判 官僚不信も浮き彫り - 東京新聞
新聞紙上ではさらに続きがあり、「政党を評価する場合に何を重視するか」という問いに関する調査結果が出ている。

政党を評価する場合に何を重視するかを聞いたところ、最多は「理念・政策」の49%で、「党首」は最低の6%。特に、選挙戦の鍵を握るといわれる「支持政党なし」の無党派層では4%にとどまった。
最近の自民党総裁選では「選挙の顔」としての集票力に期待し、国民的な人気の高い候補者を選ぶ傾向にあるが、有権者の意識とかなり隔たりがあることが浮き彫りになった。
四国新聞2009年6月14日)

他に政治家・官僚への信頼度や、政党への期待度についての調査結果も出ていた。
この調査結果をどう読み取るかとなると意見が分かれるでしょうけれども、私も政党の評価をする場合、党首が誰だからというのは二の次三の次四の次だったりするなと、そう思いました。党首は、とくに自民党はよく変わりますし、変わったからといって自民党が大きく変わるかといったら、そんなことはないしね。
自民党総裁選を大々的に取り上げ、コメンテーターを並べて「なんといっても選挙の顔ですから云々」と解説するテレビ番組は多かったですけれども、あれを真に受けているのが政治家だったりしてるのかな。
小泉人気、とくに郵政選挙の結果をテレビに代表されるメディアのせいにしてかたづける人も多いようだけれども、そう簡単に決めつけるのは雑すぎやしないかという見方もある。たとえば下のブログの記事は、そのあたりをくわしく書いてくれている。
若者や女性は「メディア政治に踊らされている」のか - 私にも話させて
上の記事では参考として渡辺治構造改革政治の時代――小泉政権論』(花伝社、2005年)が挙げられている。
小泉人気はたしかにマスメディアによって膨らまされた面も大きい。でも、私が小泉人気についてまず思い出すのは、彼が総裁選で勝利した直後、某月刊誌にある男文化人が書いていた文章で、自民党の総裁選をまるで大統領選挙でもあるかのように連日全国ニュースで取り上げる変さに嫌味のひとつでも言ってくれてるのかと期待して読んでみたところ、まったくそんなことはなく、むしろ「わたしたち国民はもうお上を頼らない道を自分たちで選んだのだ」とか、いや、いま手元にその月刊誌がないので当時読んで残った印象だけを思い出して書いているのだけど、とにかく新しい時代が始まるといわんばかりの高揚感すら伝わってくるような文章に仕上がっていて、読んだ後、ちょっと意表をつかれたような気がした。なにそんなによろこんでるの、みたいな。
今思うのは、マスメディア上で活躍する文化人のような人種こそが小泉びいきの先頭だったのかな、ということ。あの無責任さは、たしかにマスコミ人種に通じるものがある。
選挙が近づいてきたとはいえ、あの小泉ブームのころのような狂騒ムードはどこにもなく、あのころよりはまともになった面もあるのではないだろうか。たぶん、よくなったところもあるのだ。