日本のヘイトクライム

図書館に寄った際見たのだが、『AERA』2009年11月30日号に「元気になった日本の保守」という記事が出ていた。http://www.aera-net.jp/summary/091121_001293.html
永住外国人地方参政権反対運動に焦点を当て、民主党の土屋都議などに取材。この反対運動をきっかけに保守派の市民団体が連合して活動することができるようになった、とも。
論座』や『朝日新聞』も、既に右派・保守派市民の活動をとりあげたことがあり、一部報道人はこういう動きにもちゃんと目配りをしているようだ。ただし、まだ現象として報道する程度で、在特会らの活動を批判するまでには至ってない印象がある。
週刊金曜日』2009年11月27日号の金曜アンテナには、成田俊一(ジャーナリスト)「朝鮮学校脅迫事件 「子どもを投げたろか」と脅して逃げた男」という記事が出ている。
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=887
電車通学をする子どもを見送って帰ろうとした母親をつかまえて、男が脅迫した事件。男は逃げたが、朝鮮学校側は登下校する児童の安全対策を強化したという。
北朝鮮拉致問題やミサイルのことでニュースで話題になる度に、登下校中の朝鮮学校の生徒が殴られたりする事件が起こっているのだけれども、一部雑誌などで伝えられても、テレビのニュースで大きく取り上げられたりしたことはまだないのではないか。
はてなブックマークで最近目立ったのが、在特会が居酒屋で店員をしていた中国人留学生に絡んだ事件。
http://hirihoukenten.iza.ne.jp/blog/entry/1233913
こういう事件は、ヘイトクライムと呼ばれるものに当たると思うのだが、日本ではずっと「日本には人種差別はない」というのが建前というか通念になってきたのではないだろうか。そのせいか、人種差別が社会問題として広く認識されているアメリカなどに比べると、事件を重く見ず、反応も鈍いように思われる。
石原慎太郎が人気者でいられる日本では、在特会らの活動も、大勢には社会問題とされないのかもしれない。しかし、問題にされるべきだし、そのためには報道の力が必要だ。