- 作者: 大平健
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1999/09/28
- メディア: 単行本
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急にこの本を思い出したのは、次のブログ記事を読んだから。
「女犯2」のまとめ - 猫を償うに猫をもってせよ
ほのぼのエッセイが並んぶ『こころの散歩道』には、最後の章として「「対論・援助交際」の研究」というのが収められている。これは、1997年1月25日付『朝日新聞』(朝刊)に掲載されていた「どう対処しますか援助交際」という対論をバッサリ斬り捨てたもの。
「対論・援助交際」宮台真司と金盛浦子、司会・構成:稲石俊章(企画報道室)。
宮台真司の質問形の発言に始まり、自分の正しさを疑うことなくまくしたてる宮台に調子を合わせる形になってしまった金盛浦子の応えでまとめられたこの対論、これが出来上がったのは司会・構成を担当した稲石記者の効力が大きい。そのあたりを対論を追いながら読み解いている。
後日談として、件の「対論」の一週間後に読者からの「ご意見」が大きなスペースをとっていくつも掲載されていたが、その中には「「対論」自体に対する悪口はもとより、対談というものがいかに構成されてゆくかという視点からの意見も(載せて)なかった」ということで、「メディア・リテラシーというものは、やっぱり必要なのだね、と私はつくづく思ったのだった。」と締めくくられている。
宮台真司に興味はなくとも、メディア・リテラシーに関心がある人は、読んでみるとおもしろいと思います。
上にリンクした猫猫ブログの記事によれば、速水由紀子が『AERA』の「現代の肖像」でバクシーシを紹介したのが1997年で、そこで宮台真司によるバクシーシ山下礼賛が引用されているというから、同じ時期に朝日新聞でも援助交際上等発言をかましていたことを思い出したのね。
『AERA』も朝日新聞社ですよね。援助交際やバクシーシ山下を持ち上げてしまうのは、朝日新聞がネオリベ推進の旗振り役だったことと関係してるんじゃないかな。自己責任が強者の都合のいいようにだけ使われてるように見えるんですね、援交や暴力AVは。責任押しつけられてんのがどちらも若い女の子だったりするし。
バクシーシ山下に関しては、宮台真司が持ち上げたりするから瞬間的にしろ文化人扱いになって、出演した子をだましてたんじゃないかという問題が「ネタにマジレスつまんなーい」扱いでスルーされて、AVにおける暴力は見逃され放置され、その後バッキー事件が起きてしまうわけですが、いまからでも見直したほうがいいんじゃないでしょうか。