地球が静止する日

DVDで鑑賞。
高度な文明を持つ宇宙人が、ある目的を持って地球にやってくる。
冒頭、1929年のカラコルム山脈。吹雪の中、登山者が異様な球体を見つける。ピッケルで中を割ってみようとしているうち、気を失う。目が覚めたときには球体は消え失せ、登山者は自分の手に円形の傷跡があるのを知る。
現代。アメリカ合衆国。科学者が突然政府に召集される。謎の巨大物体が一時間余りで地球に激突する、なんとか手は打てないか。なす術もないうちに、問題の物体がニューヨークに着陸する。予測とはちがい、激突はしなかったが、地上に降り立った巨大な球体の中からは、宇宙人と、彼を援護する巨大な人型兵器が出てきた。
宇宙人は地球人と類似した肉体を持ち、言葉も通じることがわかる。彼は「地球を救うために来た」と言う。科学者の一人ヘレンは、この宇宙人に通い合うものを感じるのだが、徐々に彼らの真の目的がわかってくる。
1951年のロバート・ワイズ監督作品『地球が静止する日』のリメイク。おはなし自体はいかにも1950年代のアメリカSFらしく、映画全体が、過去のSF作品を現在の技術で撮り直しました、という仕上がり。
宇宙から飛来する球体は、空や海で太陽をくるみ込んで球状にまとめたようで、生命の源のようだし、その球に向かっていろんな種類の生物が寄っていくところなど、レンズが虫眼鏡から望遠鏡へと継ぎ目なくつながっていくような映像で見せてくれ、また、昆虫大パニック的な見せ場もあり、こういう映画、中高年には、子どもの頃見たSF映画、怪獣映画を思い出して、なつメロ的楽しさを感じる人も多いのではないか。
挟み込まれるテレビのニュースに物語内の世界状況を説明させ、現実の政治家や宗教関係者、その他ニュース映像も、おはなしに現実感を帯びさせるよううまく取り込まれている。
宇宙人を演じるキアヌ・リーブスは、東洋人の血が混じっているためか、白人に囲まれると、白人みたいなんだけど微妙な差異が感じられる容姿で、外見が役によく活かされている。表情のない表情で、人間の形をとった宇宙人をうまく演じている。ジェニファー・コネリーが、怪獣映画によく出てくる美人女性科学者にぴたりとはまっていた。キャシー・ベイツが、盛り髪の国防長官。さすがです。締まります。博士役で、ジョン・クリーズも出ていましたね。
また、劇中、中国語で会話する重要なシーンがあるのも印象的でした。
このおはなし、同じような発想で、たとえば星新一なら、あの簡潔な文体で数ページで人類を滅亡させて終わるのではないだろうか。でも、これはさすがにアメリカ映画というか、星新一にくらべると人間のことまだ信じてるんだなあ、そんな映画になってたな。
ラストだけど、1951年なら、かなり強い印象を観客に与えたかもしれない。しかし、今となっては特にどうということもなく、オチよりドラマな作品として観るべきなんでしょうね。