秋山訓子「民主党は何を目指し、なぜそれは実現しなかったか」『世界』2013年9月号

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『消えた「国家戦略局」構想』という副題がついた秋山訓子によるレポート。通産官僚出身でこの参院選には立候補せず引退した元民主党議員・松井孝治への取材を中心に、政権交代直後の鳩山政権がなぜうまくいかなかったのかを検証している。
興味のある人は『世界』今月号を読んでみてください。
ざっと読んで、小沢一郎についてはやっぱりこうだったんだなと思う想定内の姿が浮かんでくるのだが、それに対して菅直人が薄気味悪い。何がしたいのか(したくないのか)まったく見えてこない。
市民運動出身の菅直人には、既存の権力層とは別のフィールドから出てきたということで過大に期待したり評価する声が主にリベラル層から聞こえてきたりしたが、そういう属性とは別に、属性云々という以前に、政治家としての資質に疑問がある人物なのではないだろうか。菅直人に関しては巷の女の「顔が嫌い!」は、たぶん正しい。そう思わざるを得ない、そんな不気味さを感じた。
『世界』9月号、その他の記事からは。
中村一成ヘイトクライムに抗して」短期集中連載第三回=最終回。
京都朝鮮第一初級学校襲撃事件の、民事訴訟のルポ。100名が名を連ねた弁護団、「民事訴訟にかける思いの大きさは、民族差別をそれとして扱わなかった刑事事件が影響している(p.296)」
判決は10月7日、京都地裁で言い渡されるそうだ。