『世界』no.896 四方田犬彦「アフリカ映画の現在」

世界 2017年 06 月号 [雑誌]

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岩波書店のサイト https://www.iwanami.co.jp/magazine/#sekai
今年2月のブルキナファソのFASPACO(ワガドゥグー汎アフリカ映画テレビ祭)のレポートと、筆者がそこで観たアフリカ映画(作品とアフリカでの映画の観られ方等)の印象が伝えられています。
一応自分では映画ファンだと思っているんですけれども、正確にはアメリカ映画ファン、日本やフランス、イタリアの映画も観てますが、アフリカ映画やインド映画はほとんど知らない。でも、ノリウッドやボリウッドという単語は知っているんですね、映画情報の中に出てくるから。
現在、世界で第一位の映画大国はナイジェリア(年間1500本製作)だそうですが、日本ではほとんど紹介されることがありません。アフリカ、著者も言うように広い地域ですので、ヨーロッパに近いマグレブ圏とサハラ以南の国々ではかなり作風が異なっており“アフリカ”でひとまとめにするのも雑駁すぎるらしいのですが、映画ファンとしてはちょっと見てみたい気もしてくる映画祭レポートになっていました。

総じてわたしが今回のアフリカ映画祭から受けた印象とは、山本薩夫の社会的主題を根本敬の漫画のタッチで描いた作品が多いというものである。
(引用元:『世界』no.896 (2017.06) 四方田犬彦「アフリカ映画の現在」p211)

こういうのを読むと、『映画秘法』が動いてもいいんじゃないかと思ってしまうよね……
ただし、アメリカ映画は技術的にたいへん洗練されているので、あれになれるとそうではないタイプの映画をおもしろがるのは、見る側がおもしろがれるかどうかによる、というのは、ありそう。でも、タランティーノは日本のゲテモノ映画おもしろがって育っちゃったりしてるので、アフリカやインドの映画も日本で楽しめるようになったほうがおもしろそうです。
くわしくは『世界』で読んでみてね!