アンソニー・サマーズ『女神 マリリン・モンロー』サンケイ出版 (翻訳:中田耕治)

女神 マリリン・モンロー―“永遠のスター”の隠された私生活

女神 マリリン・モンロー―“永遠のスター”の隠された私生活

マリリン・モンローの評伝はいろいろ出ていますが、私にはこれがいちばん。対象への距離の取り方が節度を保っていて、マリリン・モンローという映画スターに特に興味を持っていない人にも読みやすいのでは。当時のハリウッドの様子がわかりますよ。
マリリン・モンローの死の謎に迫る、ということで、大勢の関係者にインタヴューをし、成人して女優を目指し始めたころからのマリリンの軌跡を辿り、彼女の死の直前に何が起こっていたのかを突き止めようとします。取材の過程で、マリリン・モンローの家が盗聴されていたこと、そしてその盗聴を請け負っていた盗聴屋が、盗聴テープを知人らに聞かせていたことが浮かび上がってくるのです。著者は粘り強く取材を続けます。
サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏失踪事件は、殺人事件とされていますが、その証拠となる録音があり、しかしそれを録音したというトルコが全貌を明らかにはしていないので様々な憶測が飛び交っています。
そういうのをニュースで見て、このマリリン・モンローの評伝を思い出しました。

追記

証拠である、として提出される録音が、フェイクでないと、どうやって確かめるのだろうか?