ことばへの自分の感覚を磨いて意識して

『遠山顕の英会話学習』2019年3月号の Notes from Ken より。

次の文には、競馬に由来するイディオムが隠れています。それは何でしょうか?

It's hands down the best ice cream I've ever tasted!
(今まで食べたアイスクリームの中で断然ベストです!)

 答えは hands down です。これは、他の馬に大きく差をつけて決勝戦に近づいた騎手が、手綱を握っていた両手を離しダラッと下げて余裕でゴールインすることから、「何の努力もいらず」という意味合いで広く使われます。
 こうしたイディオムの背景を知っていると私たち外国語を学ぶ者には都合がよいので、番組でもできるだけ紹介することにしています。ただ、ネイティブスピーカー(NS)全員が語源に詳しいというわけではありません。というより、私たちが語源を知らずに例えば「断然」という言葉を自分なりのイメージで使っているように、NSも「手を上げる必要もないから hands down」といった気持ちで使用してる方々が大半です。
 言葉を覚えるのに辞典や参考文献に頼ることは言うまでもありませんが、このように自分の解釈を(それがどんなに漠然としたものでも)尊重することも大切。自分流も忘れずに英語をものにしていきましょう。
(引用元:NHKテキスト『遠山顕の英会話楽習』2019年3月号 p6)

 

 最近は語源からという英語の参考書がよく出ていますね。英語学習者にとってはおもしろいし、参考になります。だけど、そういうものを見る前に、中学で習う基本文法を身につけたら、NHKラジオ講座を利用してさまざまなスキットに触れて英語に親しんでいくのがいいです。接頭辞や接尾辞は、多くの英語に触れているうちになんとなく意味合いや感触がわかってきて、それで語源について知ると「あ、それでか」と納得したりしませんか? これは、日本語も同じですよね、いちいち語源まで知らないけれども、普段使ったり読んだりしているうちに、なんとなく自分でそのことばの感じをつかんでいるでしょう。そして自分でその感じを表したいときにそのことばを用いているのです。ある程度英語学習を続けている人は、小中学生向けの国語の本や、子供向けの漢字辞典などを見てみると、勉強の仕方の参考になったり発見ができたりしますよ。日本語、どうやって習得してきたあまり意識してないですよね。

英語学習ですが、日本人にとってはまず発音練習、それから聞き取り力強化が最優先課題ですし、そこでもNHKラジオ講座は強い味方になります。ひとつ番組を聞く習慣をつけて、それを聞くことを楽しみにしてしまえば(楽しみ方は自分でみつけられますよね?)飽きずに練習が続けられます。一週遅れのストリーミングもネットで聞けますので、それを利用してディクテーションもしてください。

発音練習の仕方は、ケリー伊藤のスピーチクリニックが参考になります。


ケリー伊藤のスピーチクリニックーレッスン1

 

NHKラジオ講座の新年度からのテキストがもう店頭に並んでいます。ぜひ、自分が楽しめそうなのをひとつ選んで、新年度から聞いてみてください。

 

NHKラジオ遠山顕の英会話楽習 2019年 04 月号 [雑誌]

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www2.nhk.or.jp