あいちトリエンナーレのコールセンター


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今回の「表現の不自由展・その後」中止の大きな理由となった、電話回線パンクだが、上の記事にコールセンターについては次のような説明があった。

そして、問題は③でした。大量の抗議電話が来ることは事前に予想できたため、当初より外部のコールセンターに対応業務をアウトソーシングするという手段は検討していました。しかし行政の文化事業の場合、説明責任も生じるため、安易なアウトソーシングもできないという問題もありました。そのため、会期前までに電話回線を増強するという対応を行いました(2日午後にはさらに追加したと聞いています)。これについては、新国立競技場の建築コンペでザハ・ハディドを選出した建築家の事務所に、抗議電話が殺到した際の数字などを参考に、有識者と検討して決めました。
ただし、この対応にも限界がありました。そもそも、抗議用の特設回線をつくってコールセンターに回しても、大きな事業では抗議がまず本体や本庁に来ることも多く、そこから職員が特設回線を誘導する形だと事務局の電話が塞がり、朝から晩まで本来の業務ができないという問題が解決しません。また、これだけ大規模な行政に対するクレームを民間事業者のコールセンターで引き受けた事例は、これまで1件もないそうです。組織的な抗議電話の炎上対応をコールセンターに任せるというのは、そもそも現実的な選択肢でないことが今回のことでよく理解できました。

これは将来的には技術的にもっと上手にさばけるようになるかもしれないが、AIでの対応になったりすると、抗議の電話を入れてきた側が怒るかもしれないので、やはりめんどいですかね。ちなみに、電凸という方法は、左派も使ってきた抗議の仕方です。

あと、上の記事では実行委員会が下請け制作会社みたいに見えるせいか、この本を思い出しました。

 

番組はなぜ改ざんされたか―「NHK・ETV事件」の深層

番組はなぜ改ざんされたか―「NHK・ETV事件」の深層

 

 NHK・ETV2001の「戦争をどう裁くか」というシリーズの「問われる戦時性暴力」という従軍慰安婦を取り上げた番組が改ざんされたことについてのルポルタージュと考察です。

戦時性暴力については被害者が立ち直れるよう支援することが最優先ですが、この、戦争に巻き込まれて傷ついた女性を前面に押し出すのは、戦争そのもの(政治経済)から目を逸らさせるという副作用が伴っている。日本で左派が従軍慰安婦など、女性問題をやたらプッシュするようになったのがソ連崩壊後というのも、うーん……になる一因です。

これもある種の、弱者女性利用なのではないでしょうか。被害者女性を依り代にして普段言えないことを彼女らの口を借りて言うような面が、支援するエリート女性にはないですかね。実際に被害者を日常生活面で支えるというのとは、ひとつちがったものを感じるのですよ。

なにもしていないのにえらそうにいうな、と言われるのでしょうが、本を読んだ感想のひとつとして自分の日記に書いておきます。