新連載を二つ紹介します。
河合香織「分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議」第一回
コロナ対策専門家会議がどのような経緯で立ち上げられ、どういう役割を果たしてきたか。報道の伝わり方のせいで、一般人の多くに誤解されがちな専門家会議の実態をレポートしてくれています。新型コロナウィルスの特性(これは厄介なもの)についても解説されており、何故クラスター対策をすることになったかがわかります。
対策の実行を決定しているのは政府ですね。
急に専門家たちに声がかかったのはダイヤモンド・プリンセス号がきっかけだそうです。ある意味、黒船来航、に近いものだったのでしょうか。
山岡淳一郎「コロナ戦記 第一回 永寿ケース」
院内感染から43人の死者を出した東京都台東区の永寿総合病院で起きたアウトブレイクを、時系列で追っています。何が起きたのかを記録することで今後の対策への手がかりを遺そう、という趣旨。PCR検査対象が限られていた頃があったのが思い出されました。
ただし、永寿よりも早く院内感染が起きた和歌山県の有田済生会病院の場合は、和歌山県知事の裁断で早期に多数の関係者に対してPCR検査を実施し、アウトブレイクにならないで済んだそうで、法的にも知事の裁量権は認められており、東京の場合は残念ながら都知事がすぐ対応することができなかった、それが大きな被害につながったと記されています。
くわしくは『世界』10月号を読んでください。