久しぶりに文藝春秋を買ったのだが

 

 文藝春秋で私がいちばん楽しみにしているのは表紙の絵と、折りたたみになっているびよんと広がる目次の上の横長のイラストなのだが、今号もそれらは期待を裏切らない、ずっと眺めていて飽きないすばらしさ。

 で、ちょっと気がついたこととして、昔はページの下隅に入っていた、ケロリンやかるかんやひよこや白松がモナカの広告がなくなってるのね。なんかさびしい。

 ああこのさびしさ、前にも感じた、というので思い出すのが、新聞に定期的に掲載されてるヒサヤ大黒堂の広告。あれは長年ずーっと大きな字と漢字にはふりがなつきで、図とともに、各種痔の様相を小学生にもわかりやすく示していて、あの動かざること山のごとし的不動感にはいつも安心感を覚え、載るのを楽しみにしていた、あれを見ると癒されていた。ヒサヤ大黒堂、不動なり! と。ところが、ある時期に、デザインというかレイアウトっていうんですかね、とにかく様式が変わりましたね。今の時流にあわせてという風情のスマートでほっそらとした見た目の広告に、ね。ああ、ヒサヤ大黒堂も時流に乗っていくのか、という、私ひとりヒサヤ大黒堂に取り残されたような寂寥感を覚えました。

 文藝春秋もそうなんでしょうか。しかしぱらぱらしてみると、ヒガシマル醤油はきっちり広告入っているので、企業のほうの事情なのかもしれません。