『世界』2021年11月号 アフガニスタン情勢に関する論考

 

 米軍撤退とタリバンによる全土掌握を経たアフガニスタンのこれからと、日本政府がどのように関わっていくのかを論じています。くわしくは世界でお読みください。

 冷戦以後のアメリカの中東地域への関わり方が解説されているので、ニュースを読むなら読んでおくべき。

 

 ブッシュ政権アフガニスタン侵攻を行うきっかけとなった9・11ですが、これについては犯罪実話マニアとしてはひっかかっていることがあります。

 9・11のテロの基本はハイジャックでした。ハイジャックした旅客機でカミカゼアタックする、というのが斬新だったわけですが、ハイジャック自体はすでにめずらしくない犯罪のひとつでしかなったですよね。そして、事件当時日本のニュース番組でも専門家が解説していたように、ハイジャック犯は無事に着陸する必要はないのでパイロット技術もさほど高度なものは必要なかったであろうということ。

 被害が甚大であったため、大掛かりなテロだ、高度な計画や訓練をしている、後ろに大規模な組織がある! と話が転がされがちなまま現在に至っていますが、実態はそうでもないだろうというのがあって。その点をもっと一般人にはっきり伝えてもらいたい。

 最近はユダヤ陰謀説の変奏のようなトンデモ本イスラムをネタに作られていますが、読んでいるのは一部の好事家だけにしても、ああいうのがネットであれおもしろ半分に拡散されていくのはよくないでしょう。なるべくああいうものが流行らないようにふつうの話が広く共有されるようにしていきましょうよ。

 

 さて、タリバンは国際社会に受け入れられようと動き始めています。

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  アフガニスタンを治めようとしてるタリバンをいまこそ国際社会は支援すべきです。現在世界最高の軍事力を持つのがアメリカであることは、人類にとってラッキーなことになるでしょう。だからアメリカは、まだアメリカが理想とするような形での民主主義体制を実施するのはむずかしい地域もあるんだから、そういう地域がゆくゆくは民主主義で国を治められるようになるために支える度量を持たないと。民主主義は手段のひとつであって、目的ではないのですから、まずその地域が安定して平和に社会が運営されないと民主主義も役に立つ手段にはなり得ないのです。

(また、国によっては、民主主義体制でなくてもいい、というのもあってもおかしくないかも……その国の人たちの意向によってはね(人々の意向による、というのを民主主義というのなら、それも民主主義の大枠に入ってしまうのかしらん?))

 

 目先の都合で「民主主義」をポリコレ棒にしてしまうと、「民主主義」が劣化してしまうのではないでしょうか。