北海道大大学院の田中一典専門研究員は「生息場所によっては乱獲による絶滅が懸念される」と指摘。ネット販売の規制や、一部自治体で実績がある条例による捕獲禁止といった対策の拡大を求めている。
昨日の四国新聞にはもっとくわしい記事が出ていて、「自治体による規制は、北海道えりも町が条例で捕獲禁止を定めている」とのこと。
ここで、読み直されたいのが、前にも紹介しましたが、川井唯史『ザリガニ ニホン・アメリカ・ウチダ』(岩波科学ライブラリー 162)。
ここ10年でザリガニの研究が大きく進み、外来種のアメリカザリガニやウチダザリガニが、日本の生態系に悪影響を与えていたことが明らかになりました。それぞれ放流の自粛や禁止の対象となり、地域によっては防除も行われていますが、反対に環境の悪化でザリガニが棲めなくなった場所も増えています。
ニホンザリガニはもっとたいへんです。豊かな自然のなかの生息地が急速に失われ、「希少な種」として保全の対象になっています。
(引用元:川井唯史『ザリガニ ニホン・アメリカ・ウチダ』岩波科学ライブラリー 162 p.iv)
ニホンザリガニの分布域は北海道と東北の北部。アメリカから研究用に持ち込まれたアメリカザリガニやウチダザリガニにくらべると、分布域が北に限られ、小柄で可憐です。でも、遺伝子の分析から、ニホンザリガニが北半球に生息しているザリガニ類の祖先といえるそうです。
くわしくは『ザリガニ』岩波科学ライブラリー162を読んでみてください。
アメリカザリガニは、アメリカ南部の郷土料理としてよく紹介されていますね。