『世界』2022年11月号 師岡康子「ウトロ等連続放火事件 判決の意義と課題」

 

在日コリアンをターゲットとする連続放火事件について実刑判決が確定した。実質的にヘイトクライムと認定したと評価しうるが、その一方で「差別」「ヘイトクライム」との用語は避けられており、さらなる対策の必要が明らかとなった。

くわしくは『世界』11月号で読んでみてください。

 

論考では、日本のヘイトクライム対策の遅れが指摘され、それをなんとかしなければという危機感が伝わってきました。みんなでヘイトクライムの現実を見て、差別はよくないという気運を高めよう、ということで注目されてもいい反面、衆目を集めると、この犯人の言動に触発されたコピーキャットが出てくるかもという不安もあり、それであまり大きく取り上げられないのかもしれないな、と。

 あやういタイプの人がその時代に流れる電波に過敏に感応して、あとになるとあれが何かの前兆だったかと思われるような行動を取ることがあります。とくに、いまは戦争が日本人にとっても現実味を帯びた未来のひとこまとして見えてきており、そういう流れのなかで起きるよくない兆しには目を光らせなければ。

 『世界』11月号の特集「戦後民主主義に賭ける」というのが、世のよくない流れに抗するにはどうすればいいのか、という特集だったりしてますよね。