『世界』2023年1月号

 

阿部海太「民話採光 13 芸の生まるるところ」
 やわらかいオレンジ色を基調に明るく華やいだ色彩。美女の絵が浮かび、地上では盛装した人たちが宴会かな、お正月らしい雰囲気。もとになった民話は「丹波絵すがたづま」、なんか落語化するとひねってハッピーエンドにもっていけそうなおはなしですね。

藤原帰一「壊れる世界 第5回 ポストリベラリズムの時代」
 読んでいて思い出したのは、ニュースで見た米国のアフガニスタン撤退後にリモートで行われた米国を中心としたいわゆる自由民主主義国の外相会議の光景、なんだかベルリンの壁崩壊前の東側諸国を連想させるものさびしいかんじがあって。「リベラリズムが現在急速に後退している」というのは事実なんですね。
 中小国も意見を言えて、それが国際秩序に反映される仕組みを次代にあった形で作らなければならない。

特集は
1) 経済停滞 出口を見つける
2) アメリカの憂鬱 2024年大統領選の焦点

『世界』1月号を読んでみてね!

 

アメリカについては、また後ろ向き感想になりますが、以前テレビのニュースで見たものの記憶、ブッシュがアフガンアタックする直前、アフガニスタンの人々を取材していて、女性が憤りつつ「ソ連アフガニスタンを侵略した後崩壊した。アメリカも、48に分裂して消えてしまうがいい!」と言っていた字幕付き映像。あの女性は元気だろうかと思ったり。

アメリカですが、ブッシュの頃から分断の危機が言われていましたけど、選挙すると投票結果はいつも大体半々で、だから分断してるんですと言われればそうかもしれないけど、広大な国土に様々な背景をもつ人々が暮らすアメリカは、なんだかんだいってもまあバランスがとれてるじゃないか、一色にがーっと染まったりはしないんじゃないかという印象もあるんですね。日本だとアメリカにくらべて同質性が高いせいか、行くときはほんとに一気に一方向に行きがちでしょう? 飽きるのも早いですが。