以前にも取り上げましたが、いま読み返すといい本。
1925年に生まれたぼくとフリードリヒ。同い年で同じアパートに住んでいるので、幼い頃からいっしょに遊び、家族ぐるみのつきあいをしている、ぼくとフリードリヒ。
1922年にはじまったドイツのインフレ、あふれる失業者。いらだつ国民の間でナチス党が勢力を伸ばし出す。ぼくとフリードリヒの暮らしにもナチスが影を落とし始める。……
子どもの目を通して映し出される1925年から1942年までのドイツ社会。今の社会情勢と重なる光景がいくつもあります。短期間で世の中が様変わりしてしまうこわさ。また、マスヒステリーが起こった時、自分もそこに巻き込まれるのではないか、自分はあの中に混じるのはいやだと思っても、できることはせいぜい自分だけ群れから外れて身を隠すくらいで、止めることや襲われる人をかばうことはとてもできそうにないな、とか。
だからこそ、そういうことが起こらないように、一般人も気をつけないといけないってことになりますよね……
いまこそ大人にも読んでもらいたい小説です。
いま、大人にもラノベファンが増えているそうですが、岩波少年文庫も大人にも読みごたえがある作品がたくさんあります。大人の岩波少年文庫ファンが増えるといいな。
