最近、一部のクレバーな方々が妙に静かな件

昨日の日記の題名は香山リカ『<私>の愛国心ちくま新書小見出しから借用することになった。「世間を覆う静けさ」(C)香山リカです。
新現実』vol.3の対談で、香山リカと大塚英司が「なんでこんなことになったんだろうね」とぼやいていたのを思い出す。香山も大塚も、元々は保守的だのノンポリだのと見られていて、当人もそんなものなのかなということで特に反発をするでもないような書き手だったりしていたわけだが、ある時期にいわゆる論壇という場所で何か変化が起きたらしく、従来のペースで書き続けていた二人は気がついたときには一番左端になっていた、というようなことらしい。
今の香山と大塚は、世間の風潮がおかしいと危機感を持って、そんな時代の空気に流されるかたちで憲法が変えられるのはよくないと人々にうったえる役を引き受けている。
ところで、そんな香山や大塚をダメだのアレだの使えないなどと、ほんの少し前まで冷笑苦笑まじりで批判していた香山大塚と同年代の非常にクレバーであることが売りになっている一部の論客たち。彼らがここのところおとなしいというか静かだというか、不吉なものを感じさせる冷え込み方をしているように思えてならない。やはり、本気でやばい時代に突入してしまったのだろうか???
まあ、私に見えるせまーい範囲内での極私的印象でしかないですけれども。
ふと、『正論』という雑誌はたいへんに愚直なところがあって、そのせいかあんまりいやらしいかんじがないなと思う。『正論』が反転すると『週刊金曜日』になるんじゃないだろうか。こんなこというと両方から怒られそうだけれどもね。『正論』な方々は、もちろん静かになんかなってないですよ。ある意味正直というか、逃げてないというか。
スマートならいいというもんでもないなと思ったりするな。スマートであるがゆえに欠けるものもあるんですね。言わずもがなのことでしかないか。