岩波書店 大学数学への羅針盤 第1巻 間田潤『微分積分』

微分積分 (大学数学の羅針盤) 作者:間田 潤 岩波書店 Amazon 『世界』3月号の広告より: 大学数学にはじめて出合う学生が一冊目に読むテキストとして、学びの指針を示す数学シリーズ。理工系諸分野の学生や、経済学・データサイエンスを学ぶ文系学生を念頭…

アガサ・クリスティ『オリエント急行殺人事件』角川文庫

オリエント急行殺人事件 (角川文庫) 作者:アガサ・クリスティ KADOKAWA Amazon 田内志文による新訳。 イスタンブールからカレーに向かうオリエント急行が雪によりユーゴスラビアで止まってしまう。その客車内でひとりのアメリカ人男性が刺殺体となって発見さ…

斉藤佳苗『LGBT問題を考える 基礎知識から海外情勢まで』鹿砦社

LGBT問題を考える 基礎知識から海外情勢まで 作者:斉藤 佳苗 鹿砦社 Amazon 著者は医師。トランスジェンダー問題に関心を持ち、アメリカ人学者と対話し海外での現状を調べ、性的少数者からの意見も聞いた結果、LGBT思想に基づいて社会制度を設計してはならな…

笙野頼子『ひょうすべの国 植民人喰い条約』河出書房新社

ひょうすべの国――植民人喰い条約 作者:笙野 頼子 河出書房新社 Amazon 2016年の作品。『ウラミズモ奴隷選挙』の前作にあたります。ブルージーな通奏低音が響いていた『ウラミズモ』にくらべると、こちら『ひょうすべ』は全体にアッパー系、キレッキレなかん…

笙野頼子『ウラミズモ奴隷選挙』河出書房新社

ウラミズモ奴隷選挙 作者:笙野頼子 河出書房新社 Amazon 2018年の作品。 おんたこ三部作からさらに未来を透視したもの。このままだと到来しかねない地獄を描き出し、それをもたらしかねない今の世を痛烈に風刺。この未来図がそのまま現世の戯画になっている…

笙野頼子『白内障完治年の老婆カレンダー』鳥影社

白内障完治年の老婆カレンダー 作者:笙野 頼子 鳥影社 Amazon 題名通りの内容。 60代の笙野頼子が白内障の手術を受け目が治るまでをつづった私小説。独居老人ドキュメンタリーの趣。 白内障の手術は高齢になると誰でも受けるものではあるが、笙野頼子は出生…

ジャン・ジュネ『シャティーラの四時間』(インスクリプト)

シャティ-ラの四時間 作者:ジャン ジュネ インスクリプト Amazon 1982年9月16日に起きた、サブラ・シャティーラの虐殺。当時、ベイルートを訪れたいたジャン・ジュネは、9月17日にその地区で何かが起きていることを知らされ、19日にジャーナリストを装ってシ…

中井久夫『「昭和」を送る』みすず書房

「昭和」を送る 新装版 作者:中井久夫 みすず書房 Amazon 中井久夫のエッセイ集。「「昭和」を送る」は昭和天皇逝去直後に書き上げたもの、あとの38篇は1997年から2011年にかけて書かれたもの。臨床経験、臨床引退後の日々、阪神淡路大震災の経験や政権交代…

双葉十三郎『外国映画ぼくの500本』文春新書 313 / 小林信彦『ぼくが選んだ洋画・邦画ベスト200』文春文庫

外国映画 ぼくの500本 (文春新書 313) 作者:双葉 十三郎 文藝春秋 Amazon いまはネット配信で映画も旧作がいろいろ観られるようになっていますが、その際に辞書として使える本。かつて雑誌『スクリーン』で<ぼくの採点表>という連載をしていた著者、トパー…

小林信彦『出会いがしらのハッピー・デイズ』文藝春秋

出会いがしらのハッピー・デイズ 作者:小林 信彦 文藝春秋 Amazon 2000年に週刊文春に連載した時評的エッセイをまとめたもの。 ニュースでフジテレビのことが出てくる昨今ですが、「<隙間タレント>とBSデジタル放送スタート」という章で、当時のテレビにつ…

ひさうちみちお『精G 母と子の絆』ビーグリー

精G 母と子の絆 作者:ひさうち みちお ビーグリー Amazon 「精G」というのは、主人公のあだ名。妻と暮すライターだが、五十肩になったりして老いのとば口に立ったことを意識する。そんなとき、姉から老母が入院するので夜間のつきそいをしてもらえないかと…

小林信彦はフジテレビをどう見ていたか 『テレビの黄金時代』文春文庫

ニュースでフジテレビが話題になっているので、小林信彦が80年代からいきおいづいたフジテレビ的お笑い番組をどう見ていたか、『テレビの黄金時代』から引用しておきます。 テレビの黄金時代 作者:小林 信彦 文藝春秋 Amazon 1980年から81年にかけて<漫才ブ…

かまど・みくのしん『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』大和書房

本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む~走れメロス・一房の葡萄・杜子春・本棚 作者:かまど,みくのしん 大和書房 Amazon もくじ 1冊目・太宰治「走れメロス」 2冊目・有島武郎「一房の葡萄」 3冊目・芥川龍之介「杜子春」 4冊目・雨穴「本棚」 あ…

千野境子『アメリカ犯罪風土記』現代教養文庫 1386

アメリカ犯罪風土記 (現代教養文庫 1386) 作者:千野 境子 社会思想社 Amazon 目次 「現代教養文庫」のためのまえがき インディアン居留地の悲劇 両手を切断された少女のヒッチハイク 狂気が支配した殉教の森 同性愛を撃て 一攫千金を夢みたロックフェラーの…

ハンス・ペーター・リヒター『あのころはフリードリヒがいた』岩波少年文庫 520

あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫) 作者:ハンス ペーター リヒター 岩波書店 Amazon 以前にも取り上げましたが、いま読み返すといい本。 1925年に生まれたぼくとフリードリヒ。同い年で同じアパートに住んでいるので、幼い頃からいっしょに遊び、…

かまちよしろう『犬サブレ (赤)』創土社

犬サブレ 赤 作者:かまち よしろう 創土社 Amazon 世界の片隅で今日もつぶやく、やなぎにかぜを極めた犬、サブレ。ひとことにつき、ひとこま、なにか気分がささくれたとき、ぱっと開いてサブレと出会うと、うふふふになって、気分転換、かまえずにとにかくあ…

中島梓『コミュニケーション不全症候群』ボイジャー・プレス / スティーブン・レベンクロン『鏡の中の孤独』集英社文庫

コミュニケーション不全症候群 作者:中島梓 ボイジャー・プレス Amazon 鏡の中の孤独 (集英社文庫) 作者:スティーブン・レベンクロン 集英社 Amazon 日本でも、アメリカや英国で思春期の少女の間でトランスジェンダー・ブームが起き、思春期ブロッカーの投与…

井田真木子『フォーカスな人たち』新潮文庫

フォーカスな人たち (新潮文庫 い 56-1) 作者:井田 真木子 新潮社 Amazon 井田真木子のルポルタージュ。当時隆盛だった週刊誌『フォーカス』の記事から切り抜いて並べるようにして時代背景や雰囲気を描き出している。 取り上げられているのは 黒木香 村西と…

NHKテキスト『3か月でマスターする 数学』2024年7-9月号

NHK 3か月でマスターする 数学 2024年 7月~9月 [雑誌] (NHKテキスト) NHK出版 Amazon 講師は、秋山仁(数学者)、横山明日希(数学のお兄さん)、ヨビノリたくみ(教育系YouTuber)。 『3か月でマスターする 数学』は、3か月分が一冊にまとまっ…

赤瀬川源平『老人力 全一冊』ちくま文庫

老人力 全一冊 (ちくま文庫) 作者:赤瀬川原平 筑摩書房 Amazon www.chikumashobo.co.jp 20世紀末、日本で話題になったあの本、日本人が還暦を迎えたなら読むべき名著にしておくべきではないでしょうか。 「ぼけ」や「もうろく」は、成熟することで身につく力…

NHKテキスト『3か月でマスターする 世界史』4-6月号

3か月でマスターする 世界史 4月号 (NHKシリーズ) 作者:岡本 隆司,井上 文則,守川 知子 NHK出版 Amazon 3か月でマスターする 世界史 5月号 (NHKシリーズ) 作者:岡本 隆司,古松 崇志,宮 紀子 NHK出版 Amazon NHK 3か月でマスターする 世界史 2024年 6月…

『たくさんのふしぎ』2024年6月号(第471号)「ウンム・アーザルのキッチン 文:菅瀬晶子;絵:平澤朋子」福音館書店

ウンム・アーザルのキッチン(たくさんのふしぎ2024年6月号) 作者:菅瀬晶子,平澤朋子 福音館書店 Amazon 児童向けなので、総ルビ付き。kindle版も出てますが、紙の本の方には「ふしぎ新聞」も付いていて、そこに、作者のことば・菅瀬晶子「ふつうの人の暮らし…

村松友視『トニー谷、ざんす』毎日新聞社

トニー谷、ざんす 作者:村松 友視 毎日新聞出版 Amazon 帯には永六輔が「村松さんはトニー谷の味方です。」という言葉を寄せている。村松友視は以前『私、プロレスの味方です』という本を出したことがある。プロレスについては一ファンとして自分の見方や思…

橋本治『九十八歳になった私』講談社文庫

九十八歳になった私 (講談社文庫) 作者:橋本 治 講談社 Amazon 2016年、68歳だった橋本治が、その30年後になる2046年の日本を舞台にしてつづったボケ風味近未来空想科学私小説。 東京大震災後となる劇中では、家を失った98歳の独居老人橋本治は日光の杉並木…

桐野夏生『日没』岩波現代文庫 文芸352

日没 (岩波現代文庫, 文芸352) 作者:桐野 夏生 岩波書店 Amazon 小説家が強制収容所に入れられる。 『世界』連載中に読んでいたのですが、やはり桐野夏生の長編は本にまとまったのを一気読みした方がいいね。頁をくる手が止まりません。 冒頭から不穏な空気…

高橋和夫『ロシア・ウクライナ戦争の周辺』GIESTブックス 1

ロシア・ウクライナ戦争の周辺 作者:高橋和夫 一般社団法人先端技術安全保障研究所 Amazon (表紙より) 歴史と地政学の遠近法の中にロシア・ウクライナ戦争の輪郭を描き出す かつてソ連と孤立無援の中で戦ったフィンランドの経験 ロシアの南の隣人であるイ…

村上春樹『街とその不確かな壁』新潮社

街とその不確かな壁 作者:村上春樹 新潮社 Amazon ぼくが17歳できみが16歳のとき、ふたりで作り上げた高い壁で囲まれた街。ぼくはいまその街へ導かれ、自分の影を引きはがされて < 夢読み > の役を務める。図書館には16歳のきみがいるが、外の世界のぼくの記…

村上龍『ユーチューバー』幻冬舎

ユーチューバー 作者:村上 龍 幻冬舎 Amazon 書き下ろし中編『ユーチューバー』と、その前章ともいえる短編からなる。 主軸となる『ユーチューバー』は、自称“世界一もてない男”が四十を前にして会社を辞めユーチューバーになり、3時間近いゼレンスキー批判…

新郷由紀『老人たちの裏社会』宝島SUGOI文庫

老人たちの裏社会 (宝島SUGOI文庫) 作者:新郷 由起 宝島社 Amazon 目次:まえがき第1章 万引き第2章 ストーカー第3章 暴行・DV第4章 売春第5章 ホームレス第6章 孤立死第7章 生き地獄化する余生あとがき特別対談 黒川博行×新郷由紀 ピーコの続報を読…

片岡大右『小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか』集英社新書

小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか 現代の災い「インフォデミック」を考える (集英社新書) 作者:片岡大右 集英社 Amazon 目次 はじめに第1章 小山田圭吾は21世紀のカラヴァッジョなのか第2章 「ロッキング・オン・ジャパン」はなぜいじめ発言を…