小泉から橋下へ

ジリ貧に陥った自民党の救世主となった小泉純一郎は、自民党内異端であった。そのため自民党内主流派がもっていたような基盤がなく、しかしそれがこれまでとはちがったものとして一般人には好意的に見られる傾向が強い中、やり手の秘書と共に手探りでマスメディアに乗って俗受けするイメージを振りまき、大衆を味方につけていった。これまで自民党内主流にいた政治家からすれば、まさかというようなやり方で、高い支持率を保ったまま首相の任期を終えることに成功した。
しかし、やはりそれは異端でしかなかったのだろう。一時的には自民党を救ったものの、その後に続いた自民党政治家には参考にしようもなく、下手に真似をすればかえって当人の首を絞め、ついには民主党に政権を奪われた。
しかし、小泉ブームの間におかしくなったのは自民党だけではなかったようだ。
橋下大阪市長を見ていると、あの小泉流のやり方は、もはや技法化して政界の定石になってしまったような気がしてくる。中央のベテラン政治家も橋下徹にすり寄るだけで、あれは邪道だと批判する者はもう政界にはいないらしい。
参考:kojitakenの日記 http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20111221/1324478635
政界だけでなく一般社会でも、政治家はああいう風にマスメディア上でやれてないとダメなのだとごくあたりまえに思うようになっている人が増えているということなのかな。橋下、人気があるようだし、彼のいっていることはじつは民主党の方針と親和性が高い面が多いしね。
小泉改革に違和を感じて共産党に投票するようになった私には、橋下も同じ改革路線を志向する政治家にしか見えず、期待を持つこともできないのですが、橋下徹は政治家としてはまだ未知数だし、現在の人気をてこに自分を支持してくれた人たちの期待に応えようと試行錯誤しながらいい方向に進んでくれればいいなとは思うよ。
橋下徹に媚びる古参議員はもうだめだ。橋下のあやうさを補正する役目を期待することはできない。しかし、長く政界を生き抜いてきた彼らのサバイバル本能がそうさせているのだとすれば、橋下の勢いは当分続くということになるのか。