大統領暗殺

DVDで鑑賞。
監督:ガブリエル・レンジ; 出演:ディック・チェイニー, ジョージ・W・ブッシュ
シカゴへ演説にやってきたブッシュ大統領。彼を待ち構えていたのはブッシュを非難するデモ隊だった。ブッシュ個人への憎悪に満ちたかつてないほど激しい抗議デモに対して厳重な警備態勢で臨む警察。大統領は財界人の集いでの演説を終えた後、次の予定の場へと赴く。集まった支持者たちにあいさつをしてまわっている時、突然倒れる大統領。何者かがブッシュを狙撃したのだ。
大統領は病院へ運ばれるも死亡。チェイニー副大統領が大統領に就任することになる。
暗殺直後には、市民活動家や職探し中の復員兵、デモに参加していたイエメン人など怪しいと見られた人たちが逮捕されるが、狙撃犯の残した証拠品とは合致しない。何日か後、捜査陣は暗殺犯として在米シリア人を逮捕。チェイニー大統領はシリア政府が暗殺に関与しているのではないかと疑い始める……。
ブッシュ暗殺という架空の設定で演じられる、パラレルワールドものの一種と呼んでもいいのだろうか。
ブッシュやチェイニーなど、実在する政府要人は、ニュースなどから借用された「映像出演」。発言がそのままうまくおはなしの流れに合うように使われており、作り方も全体に擬似ドキュメンタリー風。そのため際物のような印象を持たれるかもしれないが、社会情勢を正面から批評しようとする直球的社会派作品だった。
そして、変な言い方になるが、ブッシュのある種のアイドル性も再確認した気分。
もっと話題になってもいいのではないだろうか。