小さき勇者たち〜ガメラ〜

DVDで鑑賞。
少年が見つけた卵からかえったガメラが、人を襲うジーダスと闘う。
1973年。三重県ではガメラがギャオスの群れと戦い、自爆することによって住民を救った。幼い相沢孝介は、その様子をじっと見ていた。
2006年。相沢孝介は、妻を亡くし、小学生の息子と二人で暮らしている。息子の透は、ある日、海の島の一部が赤く光っていることに気づく。その場所に行ってみると、赤い石に乗った卵があり、透の手の中で卵がかえり、中から小さなカメが現れる。透はそのカメに、昔母親が自分の呼び名にしていた「トト」という名前をつけて飼うことにする。
トトは成長するのが異常に速く、腹には赤い模様が見える。しかも、空に浮くことができる。透は友だちと隣の家の中学生のお姉さんに手伝ってもらい、自宅から離れた秘密の場所にトトを隠す。しかし、大きくなったトトはある日透のもとから姿を消してしまう。
隣の中学生が手術をすることになり、透はトトからのお守りだと卵の下にあった赤い石を渡す。赤い石を持って名古屋の病院に行く中学生。そのころ、海では遭難事件が相継いでいた。ジーダスが人間の味を覚え、次々に襲うようになっていたのだ。
ジーダスが透の住む海辺の町に姿を現し暴れだしたとき、巨大になったトトが出現、ジーダスと闘いはじめる。相沢孝介は息子の透に「トトはガメラだ」と言う。徹は、それを知り、誓う。「絶対にトトに自爆はさせない」。そのためには、あの赤い石がトトに必要だ。赤い石をトトに届けるため、子供たちのリレーがはじまる。
さいころのトトはカメそのものだが、目が黒々として大きく、顔がアップになるとかわいい。三重県でのジーダスとの戦いのときも、まだ身体が小さく、大型レスラーと戦う小型レスラーのように見えるのだが、そこは怪獣、身体の小振りさを活かし、相手の肉体的特長を利用して火炎放射で攻める。志摩大橋での乱闘の末、海へ転落していくジーダスは、長い尾と全身にひらひらした飾りがついているような風体のため、身をくねらせ落下する様が非常に映える。いいやられっぷり、ちょっと若き日のマイケル・ヘイズを思い出させる、派手派手悪役ぶりだ。
いったんは海へ潜ったジーダスだが、その後また名古屋へ上陸、ガメラは名古屋でまたジーダスと闘うことになる。激突して絡み合う、高いところから落下する、高層ビルを怪獣がよじのぼるなど、怪獣バトルの見せ場が続く。逃げ惑う人々のパニックぶりも生々しい。特撮の楽しさが味わえる。
赤い石が、ガメラにエネルギーを与える。そのことは子供たちにはわかり、自然に透への協力の輪が広がるのだった。徹は、トトと関わることで成長し、ガメラになったトトを見届ける。
マイケル・ヘイズは、日本へは一度しか来なかったと思う。しかし、ジーダスはどうなのだろうか。仮に来襲した場合、またガメラがやってきて日本を守るのか。
田舎でも、都会でも、日本の風景には日本の怪獣がよく似合う。着ぐるみ万歳! ああ、正月だねえ。