ねじまき鳥?

夕方、雨がぱらついた後、庭に入り込んだ鳥がぎぃぃぁぁあ、としばらく鳴いた。ちがう方向からカラスのかぁーという声もしたので、カラスの一羽が声を嗄らしてでもいたのだろうか。ただ、ぎぃぃぁぁあ、という声が何度も続いたので、ふと頭にねじまき鳥というのが浮かんだ。
村上春樹の小説では「ねじまき鳥」の声は男の子にしか聞こえないものだったので、私が日常体験に結びつけるのは無理がありすぎるのだけれども、前にも似たようなことがあったなと思い出した。
前はぎょぇぇぇーっというもっとすごい声で、どんな鳥が来ているのかすごく気になったが怖くて窓が開けられなかった。そのころはぼんやりした間ができるとわけもない不安感にとらわれることが多く、そのせいか今よりニュースが気になったものだ。
今日は窓も開いていたのだが、変わった声の鳥だなあと思うだけで、外を覗いて姿を見たいとまで興味はわかなかった。雨がぱらついた後で天気が悪く、天気予報では明日の朝も雨になりそうだといっており、雨が降る前の日の夕方は近くの山の上の方にカラスの群れが集まって鳴きまくるから、天気のせいなのかなあと思う。ただ、雨の前のカラスの声は山の上の方から聞こえるのが常で、庭に入り込んで来ることはなかったのだが。
最近はとくに不安感を覚えることもなく、ぼんやりするときはゆったりぼんやりしている。ニュースも淡々と眺められる。だから、似たようなことがあっても、前の時とはちがった印象で受け止めている。
でも一応ここに書いておきたい、そんな気分にはなった。
たぶん潮目が完全に変わった後なのだろう。なぜかそう思う。