東京下町的韜晦

アラーキービートたけしが一部で変に話題になっているのを見て、このお二人に共通する“東京の下町的”感性や語り口や立ち居振る舞いってあるなとあらためて思う。そしてたけしの人気が根強いことからもわかるように、このタイプの男性を好く人は多い。
小林信彦アラーキーには同族性を嗅ぎ取れるので信用できるみたいなことをお書きになっていて、御大もまた自分のことを書く際に「東京の下町だから」という説明(というか言い訳)をするのですね。
私は、こういう方が、自分らみたいな感性は“東京の下町”でなければ存在してない筈だ、という風に語るのを聞いて疎外感を覚える田舎者なので、彼らの味方になりおおせることはできませんが、彼らみたいなキャラがまったく通用しなくなるのもちょっとさびしいかなとは思う。
一方で、この「東京の下町的」なものは、ある程度年が若くてチンピラ的ノリが様になる頃はいいんだけど、齢を重ねて社会的にえらい人みたいになってくるとくるしくなってくるなというのがある。落語家みたいなおさまり方ができればいいんだけど、アラーキーもたけしもそういうのとはちょっと毛色がちがいますのでね。
ま、東京の下町にもいろんな人がいるでしょうから、彼らみたいなのが東京の下町の典型みたいにいわれて迷惑してます、という人もいそうだな。