『世界』2026年6月号 清水愛砂「洞窟で学ぶ女性たち 恥辱の継続と平和的生存権」

 

著者は憲法学者。日本国憲法の前提に記された「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたい」という意思に沿い、日本に限らず人権侵害にさらされている人々に心を寄せ、状況を改善するために行動してきた。

 アフガニスタンの現状を調べ、支援に取り組んでいる。

 ここでは、女子教育に否定的な姿勢を見せるタリバン政権下で、字を学ぼうとしている女性たちに会って話を聞いている。

 70代の女性は「この国はずっと戦争をしている。旧ソ連の侵攻であろうと、内戦であろうと、米軍の攻撃であろうと変わりはない。すべてが自分たちの生活を困難なものにした。どの戦争が悪いというのではない。全部悪い」と語る。戦争のせいで学校に通うこともままならなかった人が多い。

 ユネスコの2021年の調査で、アフガニスタンの識字率は37%、男性が52%で女性は23%。性別による差、地域差も大きい。農村部は総じて識字率が低い。

 男性にも字が読めない人が多いことから、字が読めなくてもできる仕事もけっこうあるのだろうと見るが、タリバンの目を逃れつつ洞窟に集って字を学ぶ女性の声は切実なものがある。字が読めないと、とにかく日常生活が不自由になるというのだ。

 役所に行っても書類に記載されていることがわからない、病院に行っても処方箋の内容がわからない、店の看板が読めない、バスの行先が読めない、携帯電話に表示される名前が読めない、数字が読めないと電話がかけられない、などなど。

 その現状を変えたいと、洞窟にやってくる。そして字を習う。学習会に来る女性は家族の理解がある人たち、著者が一年前に訪れたとき習う側だった女性が、今は教える側にまわっているのを見て、この女性たちの力を実感するという。

 そして、アフガニスタンへの支援が、期待したようには回っていないことも知らされ、どうすればいいかを考えつつ支援を続けていっている。

 くわしくは『世界』6月号で読んでみてください。

 

 男女別を基本にする社会では、役所でも病院でも女子への対応ができる女子がいたほうがいいのではというのもあって、タリバンに再考を願いたいところ。

 そして、字が読めない人にとっては、スマホでヴィデオチャットできるのはとてもありがたいことだろう、と。

(相変わらずスマホ音痴で、字が読めないという人のほうが自分よりずっとスマホを使いこなしているなあと感じる場面にも、ネット上ではよく出会いますので)