丸亀城の中にある丸亀市立資料館へ観に行ってきました。無料。本日が最終日だったんですね。
「しあわせをもたらす形と心」という副題がついた展示会。無病息災を祈り、幸せを願って人々が身近に置いてきた物。
福の神や龍、松や亀や鶴、石榴や海老の絵、唐草模様、蝶(音読みが長と同じ)の模様、唐獅子。婚礼の日に仏間にかけられたという花嫁のれん。ハレの日の子供の着物。張子のおもちゃや、でんでんだいこ、つまみ細工、各地の様々な達磨、凧、商売繁盛を願う引き札。
色とりどりの日本のおめでたづくし、見て回るだけで楽しくなってきます。人に愛でられながら古びた物を見ていると、いろんなことを想像してしまいますね。
私は動物をかたどったものが特に好きなので、どうしてもそういう物が強く印象に残ります。パンフレットの表紙にもなっていた犬張子、ベストですね。顔の表情がいいんですよ。作った人も、持っていた人も、この犬張子に話しかけたりしていたんじゃないでしょうか。他にも、張子には動物がいろいろいました。鯛は目がくるっとして気が強そうな顔立ち。鯛を抱えた人間にまじって、犬もちゃんと鯛抱えて出てる。首が動く牛や虎もファンキーです。つまみ細工も、かわいらしいグルーヴを放つ。つまみ細工は自分の家にもいくつかありますね。龍の絵ですが、掛け軸のはしぶい魅力、凧のほうはちょっと気さくなかんじでした。
いいお天気だったせいか、丸亀城の公園には子供を連れた人たちが遊びに来ていました。公園の中の柵で囲われた池のある場所に、白鳥といっしょに亀がたくさんいるのにちょっとびっくり。もっとも、亀は、お城の周りの堀でも何匹か見えましたので、おどろくこともないんですが、前はあの池の所に亀はいなかったので。お堀では鯉の大きいのがうようよしてるのが亀よりこわいかんじでした。
城内の公園をぶらぶらしていると、椿の花がいっぱい咲いてるのが目についた。根元には既に落ちた花もいっぱい。椿満開、もう終わりかと思いきや、木の枝にはつぼみがまだまだたくさんついているじゃないか。すごい生命力。植物、タフ。
自然への畏敬の念がほんわか湧いた時、足元に、小さな子亀が歩いているのを発見。小さい。まだほんと子ども。うっかりしてると踏んづけたかもしれない。小亀がいるのに気がつけてよかったとずっとその子を見続けていると、小亀が歩く歩く。椿の木のある、人が通る道から外れた場所へと歩いていく。小亀、けっこう速いぞ、歩くの。歩幅も広くないか。四本足伸ばせるだけ伸ばして歩く歩く。ぼーっと見ている間にずんずん向こうへいっちゃうぞ。足、速いじゃん、亀。全身の色合いが、うっすら苔の生えた地面の色と同系色で、保護色といってもいいくらい。自然への畏敬の念がさらにほんわかほんわか湧いてくるぞ。小亀、行っちゃたよ。
おめでたづくしを観に来て、生きた亀さんにも会えた。もう春なんだな。爬虫類は冬眠するんでしょ、それがもう地上を歩き回っているんだから。春が来たんだ、うん、おめでたいね。