普天間 鳩山首相は何故5月末までと言ったのか

四国新聞2010年4月18日号に掲載された田勢康弘「愛しき日本」という連載コラムでは、「普天間 首相が政局課題にした」と題して、鳩山政権の迷走ぶりが取り上げられている。
歴史的政権交代の結果生まれた鳩山政権は、過去の常識が通用しない側面があり、長年政治ジャーナリストをしてきた目をもってしても、この先どうなるのか予測が困難だという。
そして、鳩山由紀夫という政治家の言動が、わからなさを増幅させているとも加える。
とくに注目されている普天間問題について、鳩山首相が「5月末までに決着させる」と明言していることから、その時期までにできるのかどうか、できなかった場合鳩山首相はどう責任を取るのかということが、テレビのニュースでも話題になっている。
この、5月末、という期限は、なぜ出てきたのか? 田勢康弘「愛しき日本」によれば、次のような事情だという。

「5月末」という期限は首相自らが設定したものである。米国が求めたわけでもない。なぜ5月末なのか、と国会で問われて、首相は「そのことを決めた時期が昨年12月だったので半年後、と考えた」と述べ、さしたる意味がなかったことを明らかにしている。
(引用元:四国新聞2010年4月18日号 田勢康弘「愛しき日本」)

国会でそう答弁しているのであれば、場合によっては5月末という期限までに決着できなくても、それならさらに先に延ばして解決策を考えるようにしてもいいのではないかと思ってしまうのだが、周りが退陣に追い込まれないよう配慮して姿勢を変えようとしても、鳩山首相自身が「5月末まで」と言い切り、自らの進退問題に発展しかねないような状況を引き寄せているそうだ。
しかし報道する側も、「5月末」という期限には、さしてこだわる理由はないということをちゃんと伝えようとしていないですよね。妙な期限にこだわる鳩山首相がおかしい、そう報道してもいいのでは。