ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

IMFエージェントが、核戦争勃発を阻止しようとする。
IMFエージェントのトレヴァー・ハナウェイが、「コバルト」というコードネームを持つ人物に秘密ファイルが渡るのを防ぐため任務につくが、ブダペストで任務中に殺害され、秘密ファイルは殺し屋である女性の手に落ちてしまう。
モスクワの刑務所で服役中だったイーサン・ハント(トム・クルーズ)だが、ハナウェイのチームだったエージェントの助けで脱獄。ハナウェイの仕事を引き継ぐ形でイーサン・ハントが任務に就く。
ハナウェイが守ろうとした秘密ファイルには、核兵器発射制御装置を起動させるための暗号が記されているという。「コバルト」は人類が進化するためには核戦争を起こす必要があると信じる狂った男で、ロシアの核ミサイルを発射させようとしているのだ。
イーサン・ハントとチームは、まず、クレムリンに潜入することになる。……
トム・クルーズの人気スパイアクションシリーズ最新作。冒頭の、ブダペストを空からとらえ、そこから、ハナウェイがファイルを手にするものの女に殺される、その経緯が流れるように映し出される。快調な滑り出し。そして、その調子はラストまで途切れることなく続いた。映画館で観てほんとによかったです。ありがとう、トム!
ブダペスト、モスクワ、ドバイ、ムンバイと、各都市を巡りながらの大活劇。おはなしの流れが不自然にならないよううまく作られており、登場人物たちの動きに乗っかってアクションを楽しめる。ドバイの超高層ビルの壁登りなど、トム・クルーズがスタントなしで演じたことが宣伝されていたが、とにかく身体がよく動き、アクションに迫真性があるのがすばらしい。顔もいいです。
チームのメンバーも皆かんじがよく、メンバー間のやりとりにユーモアがあるので、陰鬱になることなく激務が続きますね。モスクワ、ドバイ、ムンバイと、その土地柄にあわせて音楽の色が変わるのもよい。ただし、わりとそれって外国人観光客にわかりやすいステロタイプなイメージに合った色ですので、現地の方にはどういう印象になるのか。たとえば、仮に、このノリで東京や京都を舞台にすると、どんな調子の音楽がつくんでしょうか。余計なことですが、気になります。
最近はハイテク技術の進歩が著しく、スパイの小道具にも取り入れられてなんでもできてしまうことにリアリティが出てしまうので、古代を舞台にして魔法を駆使する冒険ものに逆に似てきてしまっているのもおもしろいです。そこでリアリティを保たせるには、おはなしの作り方のうまさが必要になるわけですが、この映画は成功していました。よくできた娯楽活劇ほど知性を感じさせるものはありませんね。
やっぱ、お正月はトム・クルーズですよ。最高!