文楽について

公演を観ていつも思ってしまうのは、人形使いはすべて黒子装束でいて欲しいなということ。名人級の使い手はその人自身がスターだから顔出しになってしまうのかもしれないけれども、舞台に出てきて顔見世するときだけ顔を出して、本題に入る前にすっと顔を隠してくれればほんとに人形だけの世界になれるのに、ということ。
ぜいたくな注文なのかもしれないけれども、文楽で見たいのは人じゃないから。あれはお人形がうつくしいの。それと音楽と語りのグルーヴね。
地方にも文楽ファンはいるのだけれども、国民全体からみると少数派になってしまうのかな。外国人にも、文楽は日本文化としてぱっと見てわかりやすいもののひとつだと思うし、存続させたほうがプラスが大きいのでは。