消えたベテラン看護師

最近、身近で短期入院した人が出て、見舞いに行ったりしていたのだが、久しぶりに見た総合病院の病棟は、十年以上前に身内が入院した時とは雰囲気が変わっていた。全体にせわしなく、余裕がなくなっているようだ。
とくに印象に残ったのは、若い看護師さんばかりになっており、中高年のベテラン看護師の姿が見えなかったこと。以前であれば、ひとつの科ごとに婦長さんのような役割の方がいて、若い看護師全体を束ねていらしたのがわかったのだが。入院した時、婦長さんがあいさつに来てくれ、また、ベッドもしくは部屋ごとに担当の看護師さんが決まっていて、いつも同じ人が見に来てくれていた記憶があるのだが、もうそうではなくなっているようだ。
おそらく、時間によって交代制になっており、1日の中で現れる看護師が何人もいる。せわしないかんじを受けたのはそのせいなのか。
短期の入院だったので、長期入院となるとまたちがった風景が見えてくるのかもしれないけれども、経験を積んだベテラン層の姿が見えなくなっていると、やはり「リストラ」という言葉が脳裏をよぎる。
無事退院した後なので、とくに病院に文句をいいたいわけではないけれども、長期入院になっている高齢者は耳が遠かったり視力が落ちていたりする人もいて、そういう人の世話は同じ人がずっとしてあげたほうがいいのではないかと思った。その人がどういう状態なのかわかっていないとうまく指導できなかったりしそうなので。