サウジアラビアの石油施設がドローン攻撃を受けました。既に各地で戦闘に使われているドローン、そしてAIの進歩によって、AI兵器への危機感が高まっています。
『世界』2019.10 (no.925)では、「AI兵器と人類」という特集が組まれています。
超小型の完全自律型AI兵器というと、村上龍『歌うクジラ』に出てきた、ハチみたいな兵器が反逆者を襲ってくる場面を思い出します。スピルバーグの映画「マイノリティ・リポート」では、クモみたいな捜査機がアパートの隙間から部屋に入り込んで、中にいる人が何者か調べていましたね。ああいうSFに出てくる兵器が現実化されようとしているのです。人間はどうそれを利用したらよいのか、テクノロジーの出現で人間の側の感性にどんな変容が起きるのか、危機を回避するにはどうすべきなのか。『世界』の特集を読んでみてください。
アサド大統領がアメリカのテレビのインタヴューで、市民にもたらしている惨禍について問われると、「それなら、アメリカがアフガニスタンで使っている最新鋭のドローンがどれだけ民間人を殺傷しているか」と言って、テロとの戦争に巻き込まれる被害者が出るのはどこでも同じでしょう、と反駁していましたね。(だからいいというものではないだろうが)
ともかく、村上龍の想像力は悪夢を予見する傾向があるので、AI兵器は要注意でしょう。
関連:高橋和夫の国際政治ブログ