観測史上最も暖かい冬

四国新聞2020年4月15日の記事より。


観測史上最も暖かい冬
平年差1.66度

 気象庁は14日、この冬(昨年12月~今年2月)の日本の平均気温は平年値を1.66度上回り、1897年12月から翌年2月の冬に統計を開始して以来、最も高くなったと発表した。有識者を交えた異常気象分析検討会で明らかにした。
 気象庁によると、偏西風が日本付近の北側で吹いて冬型の気圧配置が続かず、寒気の南下を妨げたと結論付けた。地球温暖化や北極圏に寒気が滞留する大気現象「正の北極振動」も影響した。
 正の北極振動が起きると北極圏の気圧が低下し、日本付近を含む北半球の中緯度帯の気圧が高まる。寒気が南下しにくくなり、暖冬になりやすい。

気象は、人には手の届かないところにあるという点ではウィルスより遥か高みにあるものですから、どうしようもないなあという感想。

 でも、地球温暖化とかニュースでよく取り上げられて、その際には原因のひとつとして人間社会が吐き出す二酸化炭素ですか、工場やら車やら飛行機から、それが増えすぎていることが挙げられて、去年TIMEで「今年の人」に選ばれたグレタさんはこの状況を放置してきた大人たちに向かって「あなたたちは私たちの未来を奪う気か!」と吠えたわけで、若者を中心に彼女に賛同する人が多数出ました。

 そして、今、新型コロナウィルスによって工場が閉鎖され、車が減り、飛行機の運行もストップして、各地で大気汚染が劇的に減った! というニュースが出ています。

 グレタ的には新型コロナウィルスの評価はどうなるんでしょうね。異常気象を問題視して研究や対策案を通そうとしている大人が十代のグレタさんを政治的に利用する図には嫌悪感しか持てませんが、そういう大人とは関係なくグレタは活動を始めてたというのもあり、そうなると、少女だった、というのが別の意味を持ってきそう、世の風潮、未来の兆し、大げさにいうと宇宙の流れに最も敏感に感応するのは少女だから。流れそのものを受け止めて発信する、未来それ自体になって告げる、そういう特性が少女にはある。

 グレタに大勢の意識高い系の大人がすがりたくなった、それこそが、新型コロナウィルス感染拡大の予兆だったのではないか。

 こうなると、当のグレタさんが早々に新型コロナに感染して、でも極軽症で自宅待機しています、という、とほほ展開は、グレタ的にはよかったかもしれない、なぜなら、歴史を振り返るとジーザス・クライスト的役割をふられた人は往々にして人柱にさせられてしまうからです。

 グレタに胸キュンした大人たちは、ぜひ自分たちで問題に立ち向かってね。

 新型コロナウィルスのニュースばかりテレビで見ていると、マンガ『寄生獣』の冒頭とか、そこにグレタが混線してくると村上龍『コックサッカー・ブルース』とか思い出して、サブカルファンタジー脳が刺激されました。

 

 こんなときにサブカル脳妄想は聞きたくない、という人は、『世界』5月号をお勧めします。コロナ禍はもちろん、気候変動についての記事も載っていますよ。

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