ロボット犬

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新型コロナウィルス流行後、いろんな場所でロボットがはたらいている事例が報道されています。食べ物の配達や店内や病院内の案内、中国では陽性者隔離施設での監視役とか。

 前に、新型コロナウィルスの広がりはインターネットでのウワサ拡散の様子に似ているとニュースを見た感想として書きました。その続きというか、新型コロナウィルス、やはり時代にマッチしているというか、宿所になる人間と併走してる気配がありますね。

 インターネットの普及でリモートワーク、スマホで何でも用が足せる、そういう現実化していながら徹底はできなかった現代社会の在り様が、新型コロナウィルスで一気に日常化。ロボット技術の進歩も常にニュースで紹介されながらも、ロボットの活用が進むとそのせいで失業する人たちが出てくるだろう、と、解決すべき課題とセットで伝えられてきましたが、ここに来て、ロボット活用優先の流れが本格化してきています。

 新型コロナウィルスに押されて新時代の扉が開かれようとしているのかな。

 

 ちょっと暗めのSFファンタジー妄想を広げると。

 冷戦時代は、西側先進諸国は東側を意識していましたから、労働者の権利をうちの体制下でも大事にしなければならないという思いが上から下までありましたよね、一応。でも、ソ連崩壊後は、資本主義が勝った! になって、それで、とにかく金稼げる奴がいちばんえらい、という風潮が加速をつけて世界を覆いました。その風潮に乗れなかったものは敗残者になって、もう意見を言うこともできなくなった、仮に言ってもまともに相手にされなくなった、上から下までに。

 それから幾星霜、現在コロナ禍にある世界で何が起こっているのか。その中のひとつに、たぶん「排除の正当化」が含まれている。ロボットで市民監視もその一環だし、英国でコロナ感染者を嗅ぎ分けて探知するよう犬を仕込もうとしているというニュースが出ていましたけど、あれなんか象徴的でしょう。犬が臭いを嗅いで、上流社会に入れていいかどうか判断するんですよ。新自由主義が優勢になっても、強権体制より民主主義国家がよい筈だという価値観が上から下まで定着していたので、露骨な排除はよくないものと見られがちでしたが、そのタブーも消えつつある。

(医療従事者が拍手で称えられるのは、このご時世でも、患者として病院に運び込まれた人を排除はしないから、でしょう。)

 二極化は新型コロナウィルスの援護射撃によって完遂しそうです。

 大勢の一般人にとってはそれでもさして変化はない、没落するのは、上と下の中間で自分たちの世界を保てていた、たとえばマスコミ文化人みたいな人種になるんでしょうね。

 

 時代の変わり目を生きられるのはおもしろいことでもあるので、筆力のある人は日記をつけたりしてはいかがでしょうか。ニュースをスクラップして感想を書き留めたりとか。ウェブで公開せず、自分だけのものとして書くのがよいでしょう。後になって読まれる貴重な記録になるんじゃないかな。