検察

アカデミー賞授賞式の模様をニュースで観ていて、ふとライブドア強制捜査の日のことを思い出した。
その日、私は夜のニュースでその事件を知ったのだが、テレビに映し出されていた光景は、まるでアカデミー賞授賞式の会場にスターが入っていく時のように見えた。
六本木ヒルズに入っていく捜査員たちを、両脇にずらりと並んだ報道陣がカメラを構えて撮っているのだ。
次の日になって、捜査員が六本木ヒルズに入る約二時間前に、NHK日経新聞が、東京地検特捜部がライブドア本社を「家宅捜索した」とのフライング報道をしていたのを知った。六本木ヒルズの前で報道陣が特捜部登場を待ち構える格好になったのはそのためだという。
そのことがわかってから、「NHKと日経もぐるだったの?」といういわゆる「下衆の勘繰り」というのが私の頭の中に浮かんできてしまって、今も消えないままだ。
そのせいか、ライブドアとそれにつながる村上ファンドの逮捕劇というのは、私にはどうも素直に受け取れない見世物となってしまった。
その後、検察側の捜査の杜撰さも方々で指摘されるようになり、裁判ではそれなりの結果が出るのだろうが、逮捕によって失われたものは大きい。暴走する検察ほどおっかないものは滅多にない、と思う。
村上世彰氏は、ジミヘンの「リトル・ウィング」でも聴いて元気を出して、裁判でがんばって欲しいな。