ニッポン放送株をめぐり証券取引法違反(インサイダー取引)の罪に問われた村上ファンド前代表、村上世彰(よしあき)被告(47)に対し、東京地裁の高麗(こま)邦彦裁判長は19日、懲役2年、罰金300万円(求刑懲役3年、罰金300万円)の実刑判決を言い渡した。判決は起訴事実を全面的に認め、「一般投資家を欺き、証券市場の信頼を著しく損なった」と指弾。「ファンドマネジャーというプロによる犯罪という重大性」から実刑が相当とした。
http://www.asahi.com/national/update/0719/TKY200707190070.html
ホリエモンも実刑だったし、こういう判決が出たことにはおどろかなかったけれど、ライブドアと村上ファンドの事件についてはいろいろ雑誌などでも取り上げられていて、検察のやり方がおかしいのではないかという見方もある。そんな中で落合洋司弁護士がブログでこの事件を取り上げていたので、参考までに引用しておきます。
判決の第一報に接して感じるのは、以前、
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070323#1174652655
でコメントしたように、この種の犯罪が、「国民経済の適切な運営及び投資者の保護」に甚大な悪影響を与えるものであり、「市場や国民全体が被害者」であって、事案によっては、その被害には重大、甚大なものがある、ということを、裁判所が非常に厳しく見るようになっている、ということです。
従来は、証券取引法違反を一種の形式犯としてとらえ、執行猶予が付されることが多い傾向にあったと思いますが、ライブドア事件、村上ファンド事件の流れの中で、裁判所が、この種の犯罪を明確に「実質犯」として捉え、重大、甚大な被害に見合う刑を宣告する、悪質な事案には実刑判決も躊躇せず宣告する、ということが明確になったということは言えるのではないかと思います。両事件とも、今後、上訴審で審理されることになるはずですが、有罪という判断が維持される限り、量刑面でのこのような傾向が変わるとは思われません。
2007-07-19
かつてのホリエモンや村上氏は自分たちが非難されると、新しい時代に適応してるのは俺たちなんだ、みたいなことを言って自分たちのしていることを正当化していたように記憶していますが、裁判所も新時代に即して変わった、ということなのでしょうか。
ライブドアや村上ファンドの本もいろいろ出てるみたいですが、経済事件はよくわからないのでとっつきにくいのですね。堀江村上両者とも一時はテレビでスター扱いされるほど目立ってたので、生贄にされたという印象も強いのです。