年末になると、今年の重大ニュースのまとめが新聞に掲載される。
四国新聞での特集の中に、六本木ヒルズのビルと堀江貴文と村上世彰の写真がコラージュされた絵があった。イモムシが起ち上がったようなスタイリッシュというにはグロ味が濃すぎるビルと、堀江村上両氏のキャラ立ちショットが実にマッチしていて感心した。(*)
マスメディア上に登場したキャラとしての両氏を私は嫌いではなかった。嫌いではないから、好きか嫌いかの二者択一だと、好き、を選ぶだろう。もっともそれは「顔を見ているだけでおもしろくて退屈しないから」という、わけのわからない理由による「好き」なのだが。お二人とも、こちらの劣情をつつくような妙な愛嬌があるのですね。こんな顔が心にひっかかってきてしまうということは、自分の中に下品嗜好があるということなんだなと思うと鬱にもなるが、仕方がない、それが人生だ。
ニュースで騒がれた事件においては、ホリエモンがポップスターなら村上氏はマルコム・マクラーレンとか、そういう役回りだったのだろうか?私はその程度にしか事件のことをつかまえていない。雑誌に載ったこの事件についての記事を読んだりもしたが、コールタールのような光沢を放つオジサンたちがぞろぞろ登場してくるせいか逮捕された二人が相対的に瑞々しく感じられるほどエグ味が強い世界が展開されていた。堀江村上両氏だって相当なものの筈なんだがな。
油断するとすぐ天上的になるホリエモンにくらべると、地上的にしか見えない村上氏だが、彼の、その実年齢を考えると特異なまでの血中青年濃度の高さもまた珍重に値するものなのかもしれない。目がやたらに大きい童顔だからそう見えるだけかもしれないが、市場や法を信じるという点では局部的にしろ純なところがあって、しかしそれがある種の頭のいい男にありがちな弱点へとつながっていってしまうことを予感させ、なぜか0.3秒くらい哀愁がよぎる、そんなオツな味わいがあるのですね。パッと見童顔だけど実年齢は不惑超えています、というのはそういうことなのかもしれない。
ホリエモンは最近またテレビや週刊誌に登場して喋りまくっていた。彼は相変わらずホリエモンのまんま。元気そうでよかったね、で済ませたいところだけど、判決前なのにそんなに喋っちゃって大丈夫?と、他人事ながらちょっと心配になるほどホリエモンだった。裁判官を信じるという点で彼は純心だ、ということなのだろうか。
私の中では、ホリエモンは「ロシアからロケット買うのが似合う男」ランキングでぶっちぎりの第一位にいる。あの麻原彰晃が娑婆に出てくる目はまず無い以上、しばらくはホリエモンが首位に居座り続けるのだろう。