大蜥蜴の怪

GyaO!で視聴。
巨大化したトカゲが人を襲う。
自動車整備工をしながら母と妹と暮らしているチェイス(ドン・サリヴァン)の友人が恋人と共に行方不明になり、車だけが発見される。車はまるで大きな力で上から叩かれたようになっていた。車の状態を調べたりする必要があり、チェイスは保安官を手伝うことになる。保安官は最近このあたりでは妙なことが続いている、家畜が方々で消えているし、というのだが。……
本物の大トカゲを使い、ミニチュアの木や橋や車や列車や家と絡ませて見せてくれる。珍品として評価する向きもあるようですが、私はストレートに好感を持ちました。腹がぼてっとしてゆっくりゆっくり這う大きなトカゲ、適役です。ちゃんと表情が撮れています。場面にうまく使われています。そして音楽がいかにも怪奇SFしておりまして、うれしくなってきましたよ。子どもの頃にテレビでこういうのをよく観ました。いまでも大好きです、こういうの。
舞台となるアメリカの田舎町の若者風俗も、映画が製作された1959年あたりの雰囲気がよく出ているのかな?
話もなかなかよくできている。ミネラルの多い湧水、ニトログリセリン、酔っぱらいが見たもの、チェイスが道で助けた男がDJだったりなど、後の展開でつながってくるのね。チェイスは歌が好きでDJと知り合ったことで歌手デビューできそうになるのだけど、劇中でチェイスが歌う歌はチェイス役のドン・サリヴァンの自作自演だそうです。全体に役者がきびきびしていて見ていて疲れない。
50年代のお子様向け作品になるのでしょうが、そのせいか物語や登場人物に悪意がないのがいい。大昔の怪奇SFに興味を持つ人にしか薦めようとは思いませんが、私は楽しめました。75分弱。