シェフ! 〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜

  • 2012年、フランス
  • 原題:Comme un chef
  • 監督:ダニエル・コーエン
  • 脚本:ダニエル・コーエン、オリヴィエ・ダザ
  • 出演:ジャン・レノ、ミカエル・ユーン

三ツ星レストランのシェフが新人シェフと組んで危機を乗り切る。
ジャッキー・ボノ(ミカエル・ユーン)は腕のいい若手料理人なのだがオタク的一面があり、職場での協調性に欠け失業状態に陥る。アレクサンドル・ラガルド(ジャン・レノ)は有名な三ツ星レストランのシェフだったがかつての冴えはなく、二代目経営者に次の採点で三ツ星が取れなければ解雇すると告げられる。引退して老人ホームにいる先代に相談しに来たラガルドは、アルバイトのペンキ塗りに来てホーム厨房に入り込み料理を作ったジャッキーと出会う。……
気軽に楽しめる85分のほのぼのコメディ。ほんとにほんとにほんとにおいしそうなきれいな料理が見られるのもうれしい。出だしのアニメーションからしてかわいらしくおしゃれで、音楽もよろしく、さすがはフランス! 
ジャン・レノのお腹がいいかんじで出ていて、シェフの衣装がよく似合う、そしてなぜか着物も似合っていました。劇中でジャン・レノとミカエル・ユーンが日本人に変装して他店を偵察に行く場面があるんですよ。基本コメディだしおおらかに笑って観てればいいわけだけど、あの場面での特にミカエル・ユーンの喋り方は、日本人がフランス語喋るのを戯画化した感じなのかもしれませんね。
誇り高きシェフ・ラガルドには許容しがたい昨今流行りの料理、映画の中では“分子料理”と呼ばれてましたけれども、あれは和食のとんがった部分がフランス解釈されてこじれたような物件なのかもしれない。それで、日本人に変装したのかな?
でもね、ラガルドが本来作っている料理、あれが上等な和食と重なって見えましたよ。焼き物、和え物、細工物、それぞれきれいに彩りよく盛り付けてて。
こと料理に関しては、フランスと日本の男の人のすることや雰囲気が似ているなといつも思います。でも、それはいいところが似てるのよね、たぶん。
料理の美味しい国は美しい国、たとえなにがあろうとも。そう思うわ。