カトマンズの男

GyaO!で視聴。
恋に落ちた厭世家が命を狙われるアクション・コメディ。
大金持ちのアルチュール(ベルモンド)は厭世観にとらわれ自殺未遂を繰り返していた。ひょんな成り行きから旅先の香港で保険金目当ての殺し屋に追われるようになってしまったが、偶然出会った美女(ウルスラ・アンドレス)に恋し、生きたいと思い出した。だが、殺し屋は追ってくるのだった。……
なんで香港なのにカトマンズなのかということになりますが、劇中で主人公がヒマラヤをめざすくだりがあり、カトマンズにも行くのですね。
出だしからほんわかしたコメディタッチで、おはなしの流れに乗ってドタバタアクションが展開されます。無邪気なサイレント映画のドタバタを思い出させるアクションで殺伐とはならずにこにこしながら楽しめます。ジャン=ポール・ベルモンドジャッキー・チェントム・クルーズより体技の切れがよく見た目もきれい、教養あるぼんぼん風の持ち味も役に合っていて、すてきです、フランス映画の誇りですね、いそうでいませんよ、こういう映画スターは。
映画自体がレトロな雰囲気なのは昔の映画だからなのですけれども、私は子供の頃こういう映画をテレビでいっぱい観て映画ファンになったのだなとなつかしく思い出します。気楽にたのしめる娯楽活劇なんですが、もうちょっとこういうのはできないのではないでしょうかね。たしかに、この映画も昔の映画だとわかっているから観ていられる、そんな気はしました。このころは映画を観る側にもゆとりがあったのでしょうね。今見ると、この作品、白人が東洋に来てコスプレして遊んでいるみたいな世界で、そのへんも時代を感じます。
ま、なにはともあれベルモンドのアクションと、ウルスラ・アンドレス! 最高にべっぴんです、ウルスラ・アンドレス! 最高!