秋山あゆ子『くものすおやぶん ほとけのさばき』こどものとも612号(福音館書店)

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ユープラザうたづの図書館、月刊誌のコーナーには『こどものとも』が置いてあります。その中からとくに「これは!」とかんじいったのが、秋山あゆ子のこの作品。
「ここは むしまち むしのまち。てらまちどおり おおどおり。」ではじまる、江戸風虫の町を舞台にした捕物帖。地下まで描かれた虫の町の光景を眺めているだけで退屈しませんが、おはなしもおもしろい。「おーしつくつく」とお経が聞こえるお寺に怪しい足跡が。くものすおやぶん、謎解きに乗り出します。小説やテレビドラマなどのいわゆる「時代劇」は苦手だったりするのですが、この虫の町になら行ってみたい。虫の町の仏像は人の町の仏像よりずーっと吸引力があるし。それに文章読んでると、時代劇特有のことばのリズムが理屈抜きで気持ちいいんだなというのがよくわかったりした。
アマゾンには、この「こどものとも612号」はないようなので、『くものすおやぶん とりものちょう』の紹介を。

くものすおやぶん とりものちょう (こどものとも傑作集)

くものすおやぶん とりものちょう (こどものとも傑作集)