キサラギ

原作・脚本:古沢良太; 監督:佐藤祐市
出演:小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介塚地武雅香川照之
DVDで鑑賞。
ネット上で知り合った五人の男性が自殺したアイドルの追悼会に集まる。
五人とも熱狂的なファンだったため、死んだアイドルについて話がはずむのだが、そのうち彼女の死はほんとうに自殺だったのかという疑問が出てくる。各人はそれぞれ自分の考えを語り始めるのだが。
人によって知っていることや見方が異なるため、新事実や新解釈が飛び出すたびに話は二転三転していく。どうなるかは見てのお楽しみ。
舞台でもやれそうな芝居で、個性を活かした役者さんたちの絡み合いが見事。追悼会ということで五人すべて黒い服、それと出ている人が皆適度にかわいげがある外見なので、男ばかり五人どたばたしていても見ていて疲れない。
思い出したのは、かなり前に観た『12人の優しい日本人』という映画。あれも元は舞台だと思うのだが、陪審員になった12人が事件についてああだこうだと話し合うというものだった。我の強そうなおばさんと底意地の悪そうなおやじが口論になったり、おとなしい女性が意見を言えとつめよられて鼻血を出したり、見てる分にはおかしいんだけど自分が参加だけはぜったいにしたくないような、ちょっとこわい世界が展開されていた。
キサラギ』は、真相はアイドルが一人で抱え込んで持っていってしまっているせいか、ああいうとげとげしさはなく、しかし最後に宍戸錠が出てきてしまうのでした。