元厚生次官連続殺傷事件の余波

昨日の四国新聞には、元厚生次官連続殺傷事件の関連記事がいろいろ出ていた。はてなダイアリーノーパンしゃぶしゃぶ小泉政権の官僚叩きのことがテレビや新聞に出てこないと書いたりしたけれど、昨日の四国新聞では霞ヶ関の様子を伝えた「表層・深層」で、そのあたりにも触れていたので、一部引用してみる。

「いつか官僚が標的になる事件が起きると心配していた」。そう語るのは1998年の大蔵・日銀接待事件の経験を振り返る財務省幹部だ。
当時も大蔵省関係者の自宅に嫌がらせの電話や手紙が届くケースがあったが「役人はこの十年間たたかれっぱなし。組織だけでなく、個人を批判する風潮が強まっている」とみる。
経済産業省の若手も「小泉政権以降、政府や与党が先頭に立って官僚バッシングを始めた。いまや誰も味方がいない」と嘆いた。
(引用元:四国新聞2008年11月20日

事件後、厚労省には嫌がらせの電話や中傷メールが百件以上相次いだそうで、しかしメールが百件といわれると数が多いのか少ないのかよくわからない気もするのだけれど、数の多少には関わらず、そんな電話やメールを受け取る側にとってみれば苦痛だろう。
イラクで人質になった三人の家族や、他にもネットで祭られたりした一般人も似たような目にあったと伝えられており、その場合、お役所ほど守られることもないまま、理不尽な嫌がらせに対して正論で抗議してもまともに相手にしてもらえなかったりなど、厚労省よりもはるか厳しい孤立状態で苦境に耐えねばならなかったのだろうなと思ったりした。
今日の四国新聞では「核心評論」で、この事件に関して津島元厚相がマスコミや野党を非難したことや、トヨタ奥田氏がマスコミの厚労省叩きが気に入らないから報復にスポンサーを降りてやろうかと発言したことなどを取り上げ、「言論を萎縮させるな」と警告している。
トヨタ奥田発言は民放連会長に次のようなことを言わせてしまった。

「感情だけ訴える過激発言も」=民放連会長が一部テレビ報道を批判
広瀬道貞民放連会長(テレビ朝日相談役)は20日の記者会見で、奥田碩トヨタ自動車相談役が厚労省に関するテレビ報道を批判したことについて、「わたし自身も思うが、出演者の中には感情にだけ訴える過激な発言もある。テレビの影響力の大きさから言えば、ある種の節度が必要」と述べ、一部番組の報道にくぎを刺した。(2008/11/20-16:10)

http://www.jiji.com/jc/zc?key=%cc%b1%ca%fc&k=200811/2008112000674

感情だけに訴える過激な発言がよくない、というのはそれはそのとおりなんだけど、そんなもん奥田が何か言う前からそのとおりなことであって、奥田の癇に障ったからといって急にそんなあたりまえのことをさも重大そうに言うこともないだろうに、やっぱり奥田効果なのか、でも、民放だとこうなるのはある程度仕方ないのかな。
そうなると、民営化というのは私有化されるということになるんだな、となり、NHKの民営化なんて言っている人が一部にいるけれども、それはよくないんじゃないかとあらためて思ったりするのですね。
事件は捜査中で、まだ真相は見えてこないままですが、野党はこんな事件に臆することなく追及するべき点はすればいいと思います。受け狙いで公務員叩きをしていたのは自民党だったんじゃなかったんじゃないのか。それを忘れないために、今日もオカルト文書へのリンクをしておくことにする。
あきれた社会保険庁の実態 - 自民党