鉢呂「放射能」発言報道の経緯

四国新聞9月11日号より。

帰宅時 記者にすり寄り
突然「うつしてやる」
非公式取材考慮 直後の報道なし

放射能をうつす」発言などで辞表提出に追い込まれた鉢呂吉雄経済産業相。軽率な言動は8日深夜、東京・赤坂の議員宿舎で飛び出した。報道陣が録音しない「囲み取材」でのやりとり。9日の記者会見での「死の町」発言後、テレビ局が報じて表面化、新聞各紙も10日付朝刊で大きく取り上げた。
現場にいた共同通信の記者によると、東京電力福島第1原発の周辺地域視察などを終えた鉢呂氏が議員宿舎に戻ったのは8日午後11時半ごろ。防災服のままだった。帰宅を待っていた記者約10人に囲まれた。視察の説明をしようとしながら鉢呂氏が突然、記者の一人にすり寄り、「放射能をうつしてやる」という趣旨の発言をした。
このような囲み取材では発言の中身を慎重に判断、報道するかどうかを決めることが多い。今回は非公式な場での取材で、大臣就任から間もない鉢呂氏の発言の真意を見極められなかったこともあって、直後に報じた報道機関はなかった。
鉢呂氏は翌9日午前の記者会見で「残念ながら(福島第1原発の)周辺市町村の市街地は人っ子一人いない『死の町』だった」と発言。午後にあらためて記者会見し撤回した。9日夕、テレビのニュース番組が「死の町発言」とともに8日夜の放射能発言も報じた。
新聞記者出身のジャーナリスト大谷昭宏さんは「大臣という職責がある以上、発言は軽率。記者会見などの公の場ではないにしても記事になり得ると認識すべきだ」と指摘。「(囲み取材の)発言を報道したことは意義があった」と評価する。
直後に報じなかったことについては「記者も(鉢呂氏の)キャラクターが(分からず)手探りの状態だったと思う」と一定の理解。
放射能発言を9日夕に報じたフジテレビの広報部は「取材の結果、報道する必要があると判断した」と説明する。
岡部央・共同通信経済部長は「『死の町』発言で、原発事故対策を担う閣僚としての鉢呂経産相の資質に疑義が生じたことで、前夜の囲み取材での言動についても報道するべきだと判断した」としている。
(引用元:四国新聞2011年9月11日)

その後、鉢呂は「放射能」発言について記憶にないといっているが、「記憶にない」は政治家の常套句。否定しないということは、囲み取材中にふざけたのは事実だと見ていい。
私は、「死の町」については謝罪する必要はなかったと思っている。
http://d.hatena.ne.jp/nessko/20110910/p1