ジュリー&ジュリア

DVDで鑑賞。
1961年に出版され評判になったジュリア・チャイルドによるフランス料理の本。2002年、ジュリー・パウエルはその本に出ている524品を1年ですべて作りブログに掲載することに挑戦する。
1949年、外交官の夫と共にパリにやってきたジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)は、パリで暮らすうちにフランス料理に魅せられる。女性でただ一人、コルドン・ブルーのプロ養成コースで修行、アメリカの家庭で一人でも作れる本格的フランス料理のレシピをまとめる。ジュリアのレシピをまとめた本がアメリカで出版されると大評判になり、ジュリアはテレビの料理番組にも出演する有名人となる。
それから数十年後、小説家となる夢をあきらめた後、電話相談員として勤めていたジュリー・パウエルは、友人がブログをはじめたことに刺激され、自分もブログを書くことにする。料理が好きなジュリーは、以前から憧れていたジュリア・チャイルドの本で紹介された527品目すべてを1年で作る過程を毎日ブログに書くことに決めた。ジュリーのブログは徐々に注目を集め、本を出すという夢に一歩ずつ近づいていく。
ジュリア・チャイルドとジュリー・パウエルの、料理に取り組むことで自己実現を成し遂げていく様子が交互に描かれる。活動する時代が異なる二人の接点は、ジュリアの記した本だ。彼女の本が、後世の若い女性の支えとなり導き手となる。
メリル・ストリープエイミー・アダムスは「ダウト」でも共演していたが、世代の異なる女性の関わり合いと深い部分での共鳴を描いているというのが似ている。単なる仲良しというのではなく、好き嫌いを超えた部分で共感できる面がある相手だと分かる、同志だと認める、そういう関係でしょうか。それが伝わるのは本という媒体を通してという場合だってある、と。
美味しそうな料理が観られるのも楽しみのひとつ。ただ、期待していたよりは料理の美麗映像は少なかった。この映画の主菜は健気で魅力的な二人の女性、副菜は優しい二人の夫たちで、料理はデザートかおつまみ、そんなかんじでしたか。
素敵な料理が観られる映画といえば、ジャクリーン・ビセット主演「料理長殿、ご用心」がありました。おはなしはコメディタッチのかわいらしいミステリーでしたが、ジャクリーン・ビセットとうつくしい料理が見所。