電車男ともしドラ

電車男』は本になったとき、2ちゃんねるの書き込みが元になって出来たということがマスコミで話題になっていたのだが、『もしドラ』はどうだったんだろう?
もしドラ』が話題の本として取り上げられたテレビのニュースを二つくらい見ているのだが、はてなダイアリーがきっかけになって出来たと言われていた記憶はない。雑誌などでも取り上げられた筈で、私がその記事を読んでいないので知らないだけかもしれないけれども、『もしドラ』がネット発のヒット商品だったという側面はあまり語られていないようだ。
ネット上の書き込みそのものの比重が大きい『電車男』にくらべると、『もしドラ』出版につながるきっかけとなったはてなダイアリーには、もとになったアイデアが出ていただけになるからなのだろうか。
この『もしドラ』だが、『セカチュー』と同様、本の題名はよく知られているが、著者名はあまり知られていないというタイプのベストセラーだろう。昔からありますね、このタイプ、『風と共に去りぬ』とかね。
その一方で、作家名のほうが認知度が高い場合もある。じっさいにその人の小説を読んだことがない人も、有名作家のだれだれさんという形で作家の名前だけは知識として持ってるという、あれね。
どっちがいいとかえらいとか、だれにもなんともいえないわけだが、プロのライターにとって、ネット上でブログを書くというのは必ずしもいいことではないとはいえる。うまく利用している人もいるわけだが、一歩踏み間違えると素人よりこじれるな。文章書くのを商売にするほどの人は、書けてしまう文章からの副作用も大きいと見える。
それもまた、選ばれた者の恍惚と不安、なのだろうか。