小濱妙美 響威のうたごえ (ピアノ&アレンジ 小濱良子)

ユープラザうたづで鑑賞。

第一部は貴志康一作曲「さくら」や、千原英喜作曲、瀬戸内寂聴作詞の歌曲集「ある真夜中に」からの歌など、日本語の歌を、第二部はオペラのアリア~7人のヒロインたち~と題して、なじみ深いオペラからの曲を歌ってくれました。サプライズのような演出もあって、とても楽しく盛り上がりました。力強くて華やかで、聴いているだけでエネルギーがもらえたような気分に。

クラシックには、ポピュラー音楽にはない強さと端正さがあって、そこが魅力ですね。わたしは普段はポピュラー音楽をよく聴く方なのですが、クラシックしか聴けないという方がときどきいらっしゃるのもわかります。ただ、ポピュラー音楽には、クラシックにはない魅力はあるんじゃないでしょうか。それはでも、聴く側の過剰な感傷を歌う側がゆるしてしまう弱さや隙があるゆえのものかもしれません。

クラシックだと、聴く側も演者に敬意をもって距離をとるせいで、演る側も強くあらねばならない緊張感が保たれている。ポピュラー音楽だと、とくにロックなんかは、ファンとスターがぐちゃっと一体化する快感みたいなのがありますよね。ああいうのとは異質な、きびしくもやさしいつながりが、クラシックには舞台の上と観客席の間にあって、そこがクラシックならではのうつくしさになるのでしょう。もちろん、クラシックとはいえないエンタメでもそれはあるのですが、クラシックはロックスターよりアスリートに近い力を要求されるジャンルに見えます。