『世界』2022年11月号

 

 

阿部海太「民話採光 11 死の抒情詩」
 青を基調にした寒色の世界、水面に影を映しつつ海を渡る雄鹿、その背には雪が積もり、そこになぜかススキが一本刺さっている。雄鹿が見た寒色の夢、それは何を彼に告げていたのか。おはなしは淡路の民話「鹿の瀬」。人が主人公では伝えることができない純なイメージを鹿が伝える。ああ、ケモノ!
 
森さやか「いま、この惑星で起きていること 35 体当たりの科学者たち」
 ニュースで話題になる気象に関係した出来事を読みやすい形で伝えてくれたこの連載、最終回はアメリカで「ミスタートルネード」と呼ばれた気象学者藤田哲也からはじまって、宇宙考古学者やハリケーンハンター、動物たちの声なき声を聞き取ろうとする生物学者など、体当たりで異常気象が引き起こす変化の研究に取り組む科学者たちの活動を紹介しています。
 この連載をまとめた岩波ジュニア新書が出ています。

 

 


 
藤原帰一「壊れる世界 第3回 権力闘争としての国際政治」
 ロシアのウクライナ侵攻は随時新聞等でその進展が伝えられていますが、素人はそういうの読んでも全体の流れが見えてこなかったりしますよね。この連載は、国際政治の様態を一般人にも分かるように説明してくれています。
 
『世界』11月号を読んでみてね!